Webサイトの運営において、見込み客を獲得するための入力フォームは欠かせないツールです。しかし、フォームをゼロから作成するのは意外と手間がかかるもの。そこでおすすめしたいのが、HubSpotとWordPressの連携です。この2つを活用することで、デザイン性の高い入力フォームを簡単に作成し、データを効率よく管理できるようになります。
はじめに、この記事で解説していくうえで必要な、HubSpotとContent Hub、WordPressについて、それぞれの概要と特徴を確認しておきましょう。
HubSpotは、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置くHubSpot, Inc.が提供しているビジネスツールです。本ツールは世界135ヶ国以上で導入され、238,000社以上の企業に利用されている世界的に人気の高いツールです。
HubSpotは、CRMやマーケティング、CMS、セールス、カスタマーサービスの各ツールを一つのアカウントで統合的に管理できるプラットフォームです。HubSpotの一番の魅力は各ツールの基本機能を無料で使えることですが、有料版にアップグレードすることで、さらに多くの機能が使えるようになります。HubSpotは、まだ資金に限りがあるスタートアップから大企業まで、さまざまな企業が自社の状況に応じて活用できるマーケティングツールなのです。
HubSpot Content Hubは、AIを搭載したクラウド型CMS(Content Management System:コンテンツ管理システム)です。Content Hubは、2024年3月までは「CMS Hub」として提供されていましたが、同年4月に名称が「Content Hub」へ変更されるとともに、AI機能の強化を含む高度なコンテンツマーケティング支援機能が追加されました。Content Hubは、CMSとしてウェブサイトやブログ、ランディングページの作成・運用を一元的に管理できるだけでなく、SEO対策やリードジェネレーションを強化するための機能も備えています。さらに、HubSpotのCRM(顧客関係管理)と連携することで、よりパーソナライズされたユーザー体験を提供することが可能です。
WordPressは、世界で最も利用されているオープンソースのCMSです。ブログやウェブサイトの作成に特化しており、豊富なテーマやプラグインを活用することで、さまざまなカスタマイズが可能となっています。柔軟性が高いので、小規模な個人のブログから大規模な企業サイトまで幅広く利用されています。WordPressは以下のような特徴を持っています。
世界中のウェブサイトの43%がWordPressを利用していると言われており、小規模なサイトから大規模なサイトまで幅広く活用されています。また、オープンソースとして世界中の開発者がメンテナンスや更新に携わっているため、定期的な更新とセキュリティ対策が行われ信頼性が高くなっています。
WordPressは、高度なプログラミングの知識がなくても、直感的な操作でウェブサイトを構築できます。ドラッグ&ドロップ機能やビジュアルエディターを活用して、デザインやコンテンツの編集が簡単に行えます。
多くの開発者やデザイナーが創り出す、数万種類のテーマ(デザインテンプレート)やプラグイン(機能拡張ツール)が利用可能です。このため、必要に応じてデザインや機能を自由にカスタマイズすることができます。
WordPress自体は無料で利用でき、必要に応じて有料テーマやプラグインを追加できます。ホスティングやドメインのコストを抑えながら、プロフェッショナルなウェブサイトを構築することも可能です。
さまざまなSEOのプラグインが世界中から提供されており、検索エンジンに最適化されたサイト作りを支援します。ページのメタデータやURL構造、画像の最適化など、SEOに必要な機能を手軽に利用できます。
同じCMSとしてContent HubとWordPressを比較すると、どのような違いがあるのでしょうか?「費用」と「使いやすさ」、「カスタマイズ性」、「データ連携」の各項目で比較してみましょう。
HubSpotの各ツールには無料で使える機能が用意されていますが、高度な機能を使うにはサブスクリプションの有料プラン(Starter、Professional、Enterprise)に加入が必要となります。またプランによっては、ツールを使うアカウント数やシート数でも料金が変化します。
WordPressは、CMSの基本機能を無料で使うことができます。また、無料で使えるプラグインやテーマも豊富に用意されています。ただし高度な機能を持つプラグインは有料となっていることが多いため、使う機能によっては追加料金が発生します。
HubSpotのContent Hubは、コード知識やウェブに関わる専門知識が少ないユーザーでも直感的に使えるインターフェース(ドラッグ&ドロップや簡単な入力フォーム)を実装しています。またAIによるコンテンツ制作支援も充実しているので、特別な知識を必要とせず、直感的な操作でウェブコンテンツを作成・管理できます。
WordPressもドラッグ&ドロップでウェブページを構築することができますが、より個性的なページを構築するためには、ある程度のコーディング知識が必要になります。またコンテンツの管理なども、ツールに頼らず自分で行う必要があります。
Content Hubはメーカーが提供するCMSツールなので、さまざまな追加機能は用意されているものの、それぞれの機能のカスタマイズ性は低くなっています。
WordPressはプラグイン次第ですが、コーディングの知識さえあれば高度なカスタマイズを行うことができます。
Content HubはHubSpotシリーズのツールということもあり、HubSpotのCRMを中心にマーケティングやセールス、カスタマーサポートとシームレスなデータ連携が可能となっています。
WordPressも他のツールと連携はできるのですが、外部ツールやプラグインが必要となります。
上記のようなそれぞれの特徴を考えると、コストと柔軟性を重視する場合はWordPress、HubSpot CRMや各種HubSpotツールとの連携、データの一元管理を重視する場合はContent Hubが適しているといえるでしょう。
HubSpotとWordPressを連携させることで、以下のようなことができるようになります。
HubSpotとWordPressを連携させることで、各種情報収集用の入力フォームを簡単にWordPressのサイトに埋め込むことができます。
入力フォームから収集したデータは自動的にHubSpotに送られるため、リード情報の収集が効率化され、データの一元管理が可能になります。
HubSpotのMA機能と連携し、情報取得後の自動返信やリードナーチャリング(育成)を実現します。また、入力フォームのパフォーマンスを、HubSpotのレポート機能で詳細に分析できるようになります。
HubSpotとWordPressを連携させるには、以下の手順で設定を行います。
1.WordPressのダッシュボード(設定画面)にログインし、プラグインマーケットプレイスに移動。HubSpotのプラグインを検索する。
2.公式プラグインをダウンロードし、インストール・有効化する。
3.インストールが完了したら、表示されるガイドに従ってHubSpotアカウントにログインし、WordPressとの連携は完了。連携が完了すると、WordPressの画面左側から「コンタクト」や「フォーム」などに直接アクセスできるようになる。
上記の手順で、WordPressのダッシュボード(左側)から「コンタクト」や「フォーム」など、HubSpotの各機能へアクセスできるようになります。
プラグインによる連携が完了すると、HubSpotで作成した入力フォームをWordPressのページで活用できるようになります。WordPressに使う入力フォームは、HubSpotで作成する必要があります。
1. HubSpotで入力フォームを作成する
HubSpotの「マーケティング」→「フォーム」を選択し、「フォームを作成」からドラッグ&ドロップのエディタで入力フォームを作成します。
2. 入力フォームの埋め込みコードを取得する
作成した入力フォームの詳細設定で、埋め込みコード(HTMLコード)をコピーします。
3. WordPressのページに貼り付ける
WordPressの投稿や固定ページのエディタを開き、「カスタムHTMLブロック」を挿入します。このブロックに、コピーした埋め込みコードを貼り付けて保存します。
4. 入力フォームの確認
ページをプレビューし、入力フォームが正しく表示されることを確認します。これで入力フォームの埋め込みは完了です。
本記事ではHubSpotとWordPressでフォームを簡単に作成する方法について解説しました。HubSpotとWordPressの連携は、マーケティング活動を効率化する強力な方法です。HubSpotの機能によりフォーム作成のプロセスが簡素化され、WordPressのページから収集したデータを即座に活用できるため、リードジェネレーションや顧客管理がよりスムーズに行えます。本記事を参考に、HubSpotとWordPressを最大限に活用してみてはいかがでしょうか。
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