Webマーケティングやデジタルマーケティングにおいて、顧客情報の迅速な収集と活用は非常に重要なプロセスです。ユーザーの情報を効率的に取得しリードへと育成するためには、ユーザーにとって使いやすく効果的な入力フォームが必須となります。HubSpotでは、このニーズに応える強力なフォーム作成機能を提供しています。本記事では、HubSpotのフォーム作成機能の概要や無料版と有料版の違い、利用方法、おすすめの活用方法などについて解説していきます。
この記事の概要
・HubSpotのフォーム機能ではコーディングなしで簡単にフォームを作成できる
・HubSpotでは全エディションでフォーム機能を提供している
・無料版ではHubSpotのロゴが付いている
・HubSpotのフォーム機能の利用方法を解説
・HubSpotのフォーム機能のおすすめの利用方法を紹介
ウェブサイトやランディングページに欠かせないのがフォーム機能です。はじめに一般的な入力フォームの概要や特徴を確認し、次にHubSpotのフォーム機能について解説していきます。
フォームは、Webサイト上で訪問者からさまざまな情報を収集するためのインターフェースです。一般的には名前やメールアドレス、電話番号、メッセージなどの情報を入力できる「フィールド」をページの任意の場所に設置します。フォームは情報入力の他にも、問い合わせや資料請求、会員登録、意見の送信など、さまざまな用途に使われます。フォームには、上記のようなテキストを入力するフィールドの他にも、ドロップダウンメニューやチェックボックス、ラジオボタンなどの形式があります。
ゼロからフォームを作成する場合、HTMLやCSSなどのコーディングの知識が必要になりますが、HubSpotのフォーム機能を利用すれば、専門的な知識や技術は不要で、簡単にデザイン性のあるコンタクトフォームやアンケートフォームを作成できます。
フォームはウェブサイトに追加したり、単体ページで展開したりすることが可能で、フォームに入力した訪問者の情報は自動的にHubSpotのCRMに追加されます。個々に応じてパーソナライズしたメッセージやキャンペーンを提示することができ、購買意欲の醸成を図るのに効果的です。
ビジュアルエディターを活用すれば、各要素をドラッグ＆ドロップの直感的な操作で配置でき、ニーズに合わせて編集可能で、訪問者にとってわかりやすいフォームを作成できます。
HubSpotのフォーム機能は、全エディションにおいて提供されており無料ツールでも利用可能です。ただし無料版と有料版、およびエディションごとに利用できる機能に違いがあります。有料版では、無料版の機能に加えフォームに関する高度なカスタマイズや自動化機能が提供されています。具体的には以下のようになっています。
・無料版（無料ツール）
スタンドアロンフォーム、ポップアップフォーム、埋め込みフォーム、収集されたフォーム、GDPRオプションを利用できます。ウェブサイト上での問い合わせフォームやニュースレターの購読フォームなどを作成できます。HubSpotのロゴが付いてしまうので、削除したい場合は有料プランへのアップデートが必要です。
・Marketing Hub Starter/ Contents Hub Starter
スタンドアロンフォーム、ポップアップフォーム、埋め込みフォーム、収集されたフォーム、マルチステップ機能（ベータ）、GDPRオプション、自動短縮（ベータ）、カスタムスタイル、HubSpotロゴの削除機能を利用できます。
・Marketing Hub Professional/ Contents Hub Professional
Starterの全機能に加えて、コードのカスタマイズ、スマートフィールド、カスタムEメール検証、条件付きロジックおよびリダイレクト（ベータ）、AIスパム検出（ベータ）を利用できます。
・Marketing Hub Enterprise/ Contents Hub Enterprise
Professionalの全機能に加えて、センシティブデータのコレクションのサポート（ベータ）を利用できます。
無料版では、フォームの入力フィールド数が最大1,000個までに制限されています。また、無料版と有料版の大きな違いとして、利用できる機能に加え、無料版ではフォームにHubSpotのロゴが表示される点があります。有料版では、このロゴを削除することが可能です。
ここではHubSpotのフォーム機能の利用方法について、具体的に見ていきましょう。
HubSpotのフォーム作成は、HubSpotアカウントにて、［マーケティング］→［フォーム］の順に進み、右上の［フォームを作成］をクリックするところから始まります。
次にフォームタイプを選択し、自社の目的に合ったフォーム作成を進めます。
フォームのタイプは大きく2つに分かれており、「埋め込みフォーム」と「スタンドアロンフォーム」があります。埋め込みフォームはそのまま自社のサイトにHTMLで埋め込むタイプで、スタンドアロンフォームは別のサイトにフォームを作成し、リンクで飛ばすタイプです。
埋め込みフォームはさらに、固定フォームとポップアップボックス、ドロップダウンバナー、スライドインなどに分かれ、適切なタイミングでユーザーに表示されるように調整が可能です。
・固定フォーム
自社サイトに埋め込む標準的なフォームで、問い合わせフォームや顧客情報取得フォームとしてよく使用されます。例えば、製品ページの最後に問い合わせフォームを配置し、興味を持った訪問者に情報を入力してもらう、などです。
・ポップアップボックス
特定の条件（例えば、ページのスクロールや一定時間の経過）で表示されるポップアップ形式のフォームです。Webサイト訪問者の注意を引きやすく、リードへの転換率を向上させるために効果的です。
上記の他にも表示方法によっていくつかのフォームが用意されています。自社の目的に合ったフォームを適切に選んで活用しましょう。
HubSpotの有料版であれば、フォーム送信後の自動化アクションを設定することでリードナーチャリングを効率化できます。たとえばフォローアップメールの自動送信機能を使って、サンクスメールや顧客の特性に合わせたオファーを送信することが可能になります。また、重要なリード顧客がフォームを送信した際には営業チームに通知が送られるようにも設定できるので、タイミングを逃さずに迅速な顧客対応が可能になります。
フォームのタイプを選んだら次はフィールド（項目）の設定です。基本的には左のボックスからフィールドを選び、ドラッグ＆ドロップで右側に持っていきながら作成します。項目の順番は後からでも変更可能で、ユーザーの入力しやすさを考慮して配置を最適化できます。
また各項目に対しては詳細な設定も可能です。たとえば、必須項目の設定やバリデーション（メールアドレスや電話番号などの形式チェック）を簡単に追加できます。さらに項目ごとに説明文を加えることで、ユーザーが入力間違いをしないよう、必要な情報を伝えることができます。
新たに項目を作成したり、チェックボックスやラジオボタンを追加したりする場合には、上記画面の「新規作成」タブを選び、必要な項目を追加します。
「既存のプロパティー」と同様にフィールドをドラッグ＆ドロップで右側に移動させ、項目名や説明文を追加記入すれば新しい項目を作成することができます。
HubSpotのフォーム機能では、コンタクトのEメールアドレスと会社のドメインに基づいて、現在のコンタクトと会社名を自動で関連づけることができ、データの一元管理が可能になります。設定は簡単で、「設定」から「オブジェクト」→「会社」を選択し、「会社を作成してコンタクトに関連付ける」 をオンにするだけです。
最後にフォーム機能のおすすめの利用方法をご紹介します。
HubSpotのフォーム機能はランディングページと簡単に連携できるため、効率的なリード獲得が可能になります。たとえば、キャンペーンごとにカスタマイズされたフォームをランディングページに埋め込むことで、フォーム送信後の訪問者の行動を追跡できます。また、有料版の機能を使用して、フォームやランディングページのA/Bテストを実施し、どのデザインや構成が最も高いコンバージョン率を生むかを分析することも可能です。
HubSpotはベータ版機能として、マルチステップフォームを提供しています。マルチステップフォームとは、長い入力フォームを複数のページに分けて表示し、ステップごとに情報を入力してもらうものです。一度に多くの情報を入力させるのではなく、段階的に情報を収集することで、ユーザーの心理的な負担を軽減し、入力がスムーズになることで、コンバージョン率の向上が期待できます。進捗バーが表示されるので、ユーザーは現在の入力がどの段階にあるのか、進行状況を確認でき、最後まで入力を続けやすくなります。
HubSpotのフォーム作成機能について解説しました。この機能は、リード獲得を効率的に行うための強力なツールです。無料版でも基本的なフォーム作成は可能ですが、有料版を利用することで、より高度なカスタマイズ機能や自動化機能が利用できるようになります。HubSpotのフォーム機能をフルに活用し、デジタルマーケティングの成果を最大化しましょう。
なお、株式会社ハレフルではHubSpotやSalesforceの導入・運用支援を行っております。「自社にあったCRMの選定から相談したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」という場合には、お問い合わせからご連絡ください。
＜参考＞
HubSpot公式ページ
HubSpotのフォームとは？特徴、作成方法、無料と有料プランでの違いや外部サイトへの埋め込み方まで徹底解説！
https://hubspot.100inc.co.jp/what-is-hubspot-form
HubSpotのフォームを作成・埋め込みする方法を解説！無料プランでも利用できる
