Salesforce Identityライセンスは、ユーザー認証と管理を一元化できるSalesforceのID管理サービスです。
本記事では、Salesforce Identityライセンスの基本知識から、Salesforce Identityライセンスが必要なケース、Salesforce Identityライセンスを利用したAccount Engagement(旧 Pardot)専用ユーザーの作成方法について解説します。
この記事でわかること
・Salesforce Identityライセンスとは?
・Salesforce Identityライセンスが必要になるケース
・Salesforce Identityライセンスユーザーの作成方法
Salesforce Identityライセンスは、ユーザー認証と管理を一元化できるSalesforceのID管理サービスです。
Salesforce Identityライセンスにはいくつか機能があり、シングルサインオン(SSO)機能が目玉です。SSOとは、Single Sign-On(シングル・サインオン)の略で、一度の認証で複数のサービスやアプリケーションにアクセスできる認証システムのことです。
SSO機能を利用することで、ユーザーは一度のログインで複数のアプリケーションやサービスにアクセスできるようになり、煩雑なパスワード管理から解放されます。また、多要素認証(MFA)をサポートしており、パスワードに加えて追加の認証方法を使用することで、アカウントのセキュリティを大幅に向上させることができます。
ユーザー管理の観点からは、アカウントの作成や更新、削除などの作業を一元化して行うことができ、IT管理者の負担を軽減することができます。アクセス制御もできるので、各ユーザーに適切な権限を付与し、必要な情報やリソースにのみアクセスできるよう設定することも可能です。
また、Salesforce IdentityライセンスはGoogleやFacebookなどのソーシャルアカウントを使用したログインもサポートしています。
Salesforce Identityライセンスは、クラウドサービスやアプリケーションの利用が増加する現代のビジネス環境において、ユーザー体験の向上とセキュリティの強化を両立させる重要なツールだと言えるでしょう。
Account Engagement(旧Pardot)を利用する場合には、Salesforce Identityライセンスが必要です。2021年2月15日のSpring’21以降、Account EngagementではSSOによるログインが必須となりました。
そのため、Salesforceのシングルサインオンが有効化されていないAccount Engagementユーザーは、Salesforce Identityライセンスが必要になります。ただし、全てのAccount EngagementユーザーにSalesforce Identityライセンスが必要なわけではなく、Salesforceのフルライセンスを持っていないユーザーのみが必要です。例えば、マーケティング活動に特化したPardotのみを使用する従業員などがこれに該当します。
Salesforce Identityライセンスを活用することで、企業はSalesforceのフルライセンスを購入することなく、Pardot専用のユーザーアカウントを無料で作成し、Salesforceに接続することができます。
Salesforce Identityライセンスを利用したAccount Engagement(旧 Pardot)専用ユーザーの作成方法についてそれぞれ解説します。
Salesforce Identityライセンスを使ってAccount Engagement専用ユーザーを作成するには、まずSalesforce側で設定を行います。
設定する前に、設定する人に以下の権限が付与されているかを確認しましょう。
Salesforceの設定画面から「ユーザー管理」に進み、「ユーザー」を選択します。新規ユーザーを作成する際、ライセンスタイプとして「Salesforce Identity」を選択します。ユーザー情報を入力し、プロファイルは「Identity User」を選択します。
このプロファイルには最小限の権限しかないため、必要に応じてカスタムプロファイルを作成しましょう。
次に、権限セットを割り当てます。「設定」から「権限セット」に進み、「新規」をクリックします。「Pardot Only User」などの名前をつけ、「ライセンス」を「なし」に設定します。この権限セットにAccount Engagementへのアクセスに必要な権限を追加し、作成したユーザーに割り当てます。最後に、シングルサインオン設定を確認し、Salesforce側の設定は完了です。
Salesforce側の設定が完了したら、Account Engagement側の設定を行います。
まず、Account Engagementの管理画面にログインします。「設定」から「ユーザー管理」に進み、「ユーザー」を選択します。「Salesforceユーザーの追加」または「新規ユーザー」をクリックし、Salesforceで作成したユーザーのメールアドレスを入力します。
次にユーザーの役割とアクセス権限を設定します。おそらくマーケティング担当者に対して設定することになるので「マーケティングユーザー」の役割になるかと思いますが、要件にあった役割を設定するようにしてください。
必要に応じて、特定のフォルダやキャンペーンへのアクセス権限も設定します。
設定が完了したら、ユーザーに招待メールを送信します。ユーザーはこのメールに記載されたリンクからAccount Engagementにアクセスし、Salesforceの認証情報を使ってログインをすることで、Salesforce Identityライセンスを使用したAccount Engagement専用ユーザーの作成と設定が完了します。
Identity Userとしてログインする場合には、組織の管理者から提供された専用のログインURLにアクセスする必要があります。そこで、事前に設定されたユーザー名(多くの場合はメールアドレス)とパスワードを入力しましょう。
初回ログイン時にパスワードの変更を求められた場合には、パスワードを変更します。
多要素認証が有効になっている場合は、追加の認証ステップを実行しましょう。認証が成功すると、ユーザーは割り当てられた権限に基づいて、Account Engagemenにアクセスできるようになります。
本記事では、Salesforce Identityライセンスの基本知識から、Salesforce Identityライセンスが必要なケース、Salesforce Identityライセンスを利用したAccount Engagement(旧 Pardot)専用ユーザーの作成方法について解説しました。
Salesforceを契約していてAccount Engagement専用のユーザーが必要な場合には、Salesforce Identityライセンスを利用することになります。本記事を参考に、Account Engagment(旧 Pardot)専用ユーザーを作成してみてくださいね。
なお、株式会社ハレフルではAccount Engagementの初期設定支援や運用支援サービスを提供しています。
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