HubSpotとSalesforceはどちらも世界的に利用されているCRMプラットフォームです。
どちらも全世界の数多くの企業で利用されており、業務効率の改善や顧客満足度の向上に非常に優れた機能を持っていますが、考え方に違いがあります。本記事では、HubSpotとSalesforceの違いや、企業規模や事業フェーズによってどちらの製品を導入するのがおすすめかをお伝えしたいと思います。
Salesforceは、クラウドベースの顧客関係管理(CRM)ソフトウェアです。Salesforceの最大の特長は、顧客接点を軸として、さまざまな機能から必要な製品だけを選べることです。その中でも代表的ないくつかのサービスをご紹介します。
Sales Cloud、Service Cloud、Account Engagement(旧Pardot)、B2B Commerce、CPQ、Community Cloud、Health Cloud、Financial Services、Lightning Platformはシームレスな連携が可能となっているので、顧客に関するあらゆる情報を一元管理したい場合にはSalesforceの導入がおすすめです。
HubSpotは、インバウンドマーケティングに特化したクラウドベースの顧客関係管理(CRM)ソフトウェアです。
HubSpotは、「Hub」と呼ばれるツールを組み合わせて利用します。Marketing Hub、Sales Hub、Service Hub、CMS Hubなどのいくつかのサービスが用意されており、自社のニーズに合わせて利用するHubを自由に選択することができます。
わかりやすいUIが提供されており、初めてのCRM導入でも使いやすいのが特徴です。
※英語で提供されているツールのため用語は多少とっつきにくいところがありますが…
無料(ユーザー上限5名まで)で始められるため専任の担当者を用意せずにCRMを導入したい場合や、費用を抑えてスモールスタートしたい場合にはHubSpotの導入がおすすめです。
SalesforceとHubSpot(Marketing Hub)はそれぞれ違う会社が提供しているサービスですが、連携することができます。
営業管理をSalesforceで行うなら、マーケティング活動もSalesforceを活用したいと考える方も多いでしょう。しかし、Salesforceの提供するMAツールはHubSpotと比較してもかなり高額となるため、なかなか予算を捻出できない企業も多いです。
そのような場合には、HubSpotのMarketing Hubで収集された潜在顧客の情報(リード)をSalesforceに同期させることで、HubSpotのマーケティングデータを活用しながら営業活動に取り組むことができます。
実際にSalesforceとHubSpot(Marketing Hub)を連携して営業の業務効率化を目指している企業も多く、マーケティング部門と営業部門のシームレスな連携を実現可能です。マーケティングからセールスまでのプロセスをスムーズに進行することができれば、業務効率化と売り上げの最大化が期待できます。
Salesforceをおすすめする企業は以下の通りです。
それぞれについて解説します。
Salesforceは、HubSpotと比較しても拡張性やカスタマイズ性が高く、企業独自のビジネスプロセスやニーズに合わせてカスタマイズすることができます。プロファイル・ロールや権限セットに合わせたアクセス権限の管理や複雑なワークフローを組む事ができます。また、Salesforceはシステム開発のプラットフォームとして利用することもでき、Apexと呼ばれるプログラミング言語を活用して開発を行えば、もっと自由度高くカスタマイズすることができます。Salesforceがもっている様々なソフトウェア群の上にビジネス要件に合わせた高度なカスタマイズや独自の開発機能を組み合わせることで、中長期的に社内の情報システムの中核としての「顧客統合基盤」として構築することも可能です。
Salesforceは、HubSpotと比較するとカバーできる業務範囲が広範であり、自社のビジネスプロセスに合わせた細かなカスタマイズや外部システムとの柔軟な連携が可能です。Salesforceの導入・活用には一気に全ての機能を強化するという形ではなく、段階的に機能を強化していき数年間掛けて顧客情報に紐づく様々な情報を管理できる統合顧客基盤として構築する、といった中長期に渡るITシステムに関しての投資計画を立てることが必要となります。
また、ライセンス費用はユーザー数に応じた従量課金制となっておりサブスクリプション型で費用が掛かってきますが、カスタマイズを自社で行わない場合は、導入支援・開発・運用費用も掛かってきます。そうしたSalesforce導入に関わるコストを積み上げていくとそれなりの費用になってきますので、まずはそういった事業計画に沿ったIT投資計画を長期的に見定める必要があります。
自社の事業が年単位でどのように成長し、その成長速度に合わせて顧客基盤としてのSalesforceもどのように成長させていくのか、そうした事業計画を立て、中長期的にSalesforceに投資することができるのであれば、Salesforceは十分な投資に見合う効果を得られる事ができると思います。
3つ目としては専任のSalesforce担当者を準備できる、ということがSalesforce導入をおすすめする企業の要件となります。数年単位のITの投資計画の中で今どのフェーズにいるのか、事業の成長に合わせてSalesforceをどのように拡張させていくのか等はIT部門の責任者でも兼務できる内容ではありますが、理想は専任の担当者を設け現場のサポートをしながら細かな要望に対応しつつ、運用を支援していくことで導入効果をより高めることができるでしょう。
また、Salesforceは年3回のアップデートがあり、そうした新機能に合わせた対応、現場の声やトレンドに合わせた機能拡張などを行って行く必要があります。Salesforceを導入する企業は事業計画に合わせたIT投資と合わせてSalesforceの専任人材の育成に取り組む必要があるでしょう。
HubSpotの導入をおすすめする企業は以下の通りです。
システムの導入には目的や、目標を定めておくことは非常に重要なのは言うまでもありません。創業したばかりのスタートアップ企業であれば、あえてあまり目的を定めずにHubSpotの無料ツールをとりあえず導入する、というかたちでも問題無いと思います。※ユーザー数5名が上限ですが、何より無料です。
創業期に手探りで色々と営業するなかで、活動の記録を一々付けていく、というのは現実的ではないと思いますが、HubspotにはGoogle WorkspaceまたはMicrosoft 365と連携できる機能があり、とりあえずその連携機能だけ有効化しておき、顧客情報の整備や案件進捗の管理は落ち着いて余裕が出たタイミングで本腰を入れる、でも問題ありません。多少余裕が出て、創業者が案件の引き継ぎを新しいメンバーに行いたいと思ったタイミングで、過去のメールのやり取りが全て顧客情報に紐づいて共有できる、という機能が後々、役立ちます。
その他にもWebサイト上に非常にかんたんに公開できるWebフォーム機能やオンラインMTGの調整ができるスケジュールリンク機能など創業期の企業に役に立つ様々なツールが揃っています。管理する顧客数が増えてきたり、Webフォームの製品ロゴを削除したい、と思ったタイミングで有償版に切り替えていけば初期コストを押さえつつ製品のメリットを十分に享受できるのではないかと思います。
インバウンドマーケティングとは、見込み顧客と長期的に関係を持ち、最終的に顧客やファンになってもらうマーケティングプロセスです。
HubSpotは、インバウンドマーケティングに特化したCRMプラットフォームのため、ブログ、ランディングページ、メールマーケティング機能(セグメンテーション・シナリオ作成・メルマガ送信)など、インバウンドマーケティングに必要な機能が全て用意されています。
Content HubのProfessional以上のエディションであれば生成AIを活用したコンテンツリミックス機能など直接コンテンツ制作をサポートする機能も充実しています。見込み顧客が望むコンテンツを作成し、ブログ、Eメール、ホワイトペーパーなど様々な形で届けることで見込み顧客との長期的な信頼関係を生み出すことができます。
インバウンドマーケティングに取り組んでいきたいと考えている場合には、SEO対策にも取り組む必要があります。HubSpotには、SEOに特化した機能も用意されているため、SEO対策も合わせて取り組んでいきたい企業におすすめです。
また、Marketing HubのProfessional以上のエディションで利用できるHubSpotのSEO&コンテンツ戦略ツールを使用することで、サイトのランキングや上位表示させるためのキーワードの推奨機能、コンテンツの最適化、キーワードの順位測定も行うことができます。
本記事では、SalesforceとHubspotの違いやそれぞれのCRMがおすすめの企業について解説しました。SalesforceもHubSpotもどちらも世界的に利用されているCRMプラットフォームです。
本記事を参考に、自社にあったCRMを導入してみてください。
株式会社ハレフルではSalesforce/Hubspotの導入支援を行っております。
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