Salesforceを導入したものの、デフォルトの画面では業務がやりづらいと感じている方も多いのではないでしょうか。実は、Salesforceの画面は細かくカスタマイズできます。alesforceの画面カスタマイズは、業務効率を大きく左右する重要な要素です。しかし、初めて取り組む方にとっては、どこから手をつければよいか迷うことも多いでしょう。この記事では、画面のカスタマイズ方法を基本から応用まで、具体例を交えて解説します。最後まで読めば、自社の業務に合わせた使いやすい画面設定ができるようになります。
SalesforceのFlow Builderを使用して、商談に紐づいている添付ファイルのリストを表示させる(リンク含む)画面フローを作成します。
デフォルトのSalesforceの画面は基本的な情報を提供するものの、必ずしもすべてのユーザーに最適ではありません。Salesforceの画面をカスタマイズすることで、業務の生産性を大幅に向上できます。具体的なメリットをご紹介します。
Salesforceの画面をカスタマイズすることで、自社のイメージに合わせた背景設定が可能です。例えば、ロゴ画像やブランドカラーを設定すれば、ユーザーがシステムに親近感を抱きやすくなるでしょう。Salesforceでは背景をデフォルトのテーマから選択できるだけでなく、組織独自のカスタムテーマを簡単に作成できます。
必要な情報を1画面に集約できることもメリットの1つです。Salesforceのデフォルトのインターフェースは、あくまで標準的なものであり、自社の業務フローやデータ形式と完全に一致するとは限りません。特に、顧客情報の管理方法や営業のプロセスは企業によってさまざまなため、自社のビジネスに合わせてカスタマイズする必要があります。
Salesforceでは、自社の利用シナリオに合わせて画面のレイアウトを自由にカスタマイズできる点がポイントです。例えば、商談の進捗、顧客データ、関連するタスクなど、よく使用する項目を1画面に集約することで、業務に必要なデータを一目で把握でき、業務効率化が図れます。また、重要な情報を常に視覚的に確認できることで、タスク漏れやミスを防ぎ、業務精度の向上も期待できるでしょう。
Salesforceの画面カスタマイズにより、重要なタスクを可視化し、業務の優先順位付けと進捗管理を効果的に行うことが可能です。例えば、ホーム画面にToDoリストや未処理の承認申請などを表示するコンポーネントを追加すれば、ユーザーはログイン直後から重要なタスクを把握できます。また、レポートグラフやダッシュボードを配置すれば、チーム全体の進捗状況や個々の担当者のパフォーマンスを視覚的に確認できます。これにより、タスクの遅延や見落としを防げる他、緊急の対応が求められるタスクを即座に確認できるため、迅速な対応が可能になります。
効果的な画面カスタマイズを行うには、まずSalesforce画面の基本的な構成要素を理解する必要があります。ここでは主要な3つの要素について説明します。
効果的な画面カスタマイズを行うには、まずSalesforce画面の基本的な構成要素を理解する必要があります。ここでは主要な3つの要素について説明します。
画面上部に配置されたナビゲーションバーは、Salesforceを使う上で最も重要な要素の1つです。ホーム画面やオブジェクト、ダッシュボード、レポートなど、主要な機能やデータへのアクセスを担っています。日常的によく使う項目を左側に配置し、使用頻度の低い項目を右側に移動させるなど、業務の流れに沿った並び順にすることで、作業効率が上がります。
アプリケーションは、特定の業務や目的に応じたツールやデータを一つにまとめた機能です。例えば「セールス」アプリケーションには取引先や商談、「サービス」アプリケーションにはケース管理やナレッジベースといった、それぞれの部門に必要な機能が集約されています。部門ごとの業務の流れを整理し、必要な機能を適切に配置することで、より使いやすい環境を作ることができます。
ナビゲーションバーの左側に配置されたアプリケーションランチャーは、ユーザーがアプリケーションを切り替える際に使用する機能です。下図のように、アプリケーションランチャーのアイコンをクリックすると、アプリケーションの一覧が表示されます。ここでは「セールス」が先頭に表示されていますが、独自に作成したlightningアプリケーションページを配置したり、順番を自由に並び替えたりすることも可能です。素早いアクセスを実現するためにも、よく使うアプリケーションは上部に、使用頻度の低いものは非表示にするなど工夫しましょう。
なお、Salesforce内のアプリケーションだけでなく、外部のアプリケーションにも簡単にアクセスできます。
画面のカスタマイズは、大きく分けて4つの要素で行うことができます。ここからは、カスタマイズの重要度が高い以下の順で、それぞれの特徴を見ていきましょう。
ユーザーが最初に目にするホーム画面は、業務効率を左右する重要なページです。営業成績やタスク、社内アナウンスなど、業務に直結する情報は一目で確認できるようにしておきたいもの。デフォルトの画面では全てのニーズを満たせない場合も多いため、自社の業務の流れに合わせて必要な情報を配置することが大切です。
例えば、ホーム画面にダッシュボードコンポーネントを配置することで、ユーザーがSalesforce へログインした際に現在の状況を把握できるようになります。業務効率を向上するためにも、ホーム画面のカスタマイズ時には各部門の担当者の意見も取り入れながら、最適な情報設計を行いましょう。
Salesforceの画面では、独自アプリケーションの作成もできます。先述した通り、アプリケーションは特定の業務や目的に応じて必要な機能やタブをまとめたツールです。例えば、社内営業部門向けに「キャンペーン」「リード」「ToDo」などのタブを含む専用アプリケーションを作成すれば、ユーザーは必要な情報にすぐにアクセスできます。部門ごとの業務の特徴を把握し、それに合わせたオブジェクトを集約することで、作業の無駄を削減できるでしょう。
Salesforceの表示ラベルは、オブジェクト、項目、タブなどの表示名をユーザーにとってわかりやすいように変更できる機能です。デフォルトの名称はあくまでも標準的なもののため、必ずしもすべての企業やユーザーにとって最適とは限りません。
また、海外拠点がある組織では多言語対応も重要となりますが、デフォルトのままでは対応できない場合があります。そうした場合に、Salesforceの表示ラベル機能を活用すれば、企業/業界特有の用語を反映させたわかりやすい表記に変更でき、表記ズレや仕様変更時の修正反映漏れを防げます。具体例としては、「リード→見込み顧客」、「取引先名→会社名」、「マネージャ→マネージャー」などが挙げられます。
Salesforceの画面では、テーマや背景のカスタマイズも可能です。会社のテーマカラーやロゴを設定しブランディングすることで、ユーザーにSalesforceを身近に感じてもらいやすくなるでしょう。特に、複数のSalesforce組織を利用している場合は、こうしたカスタマイズにより視覚的に組織を区別することができるため非常に便利です。カラーや背景は、あらかじめ用意されているデフォルトのテーマから選ぶことも、独自のテーマをオリジナルで作成することも可能です。
検索レイアウトは、Salesforceのグローバル検索結果や「最近参照したデータ」のリストビューに表示される項目を、業務ニーズに合わせてカスタマイズする機能です。デフォルトの設定では表示される項目が不足していたり、逆にあまり使っていない項目が含まれていたりすることがあります。そこで、このレイアウトをカスタマイズすることで、ユーザーにとって必要な項目のみを表示し、日々の業務を円滑に進められます。
例えば、商談オブジェクトの「最近参照したデータ」ビューにおいて、デフォルトでは「商品名」「取引先名」「フェーズ」「担当」の4つの項目が表示されています。これをより分かりやすくするために、検索レイアウト機能を使って「金額」と「完了予定日」の項目を追加すると、下図のようになります。
Salesforceの画面をカスタマイズする方法には、主に「ページレイアウト設定」と「Lightningアプリケーションビルダー」の2つがあります。どちらを選ぶべきかは、実現したいカスタマイズの内容によって異なります。
まず、ページレイアウト設定は主に項目の配置や表示・非表示、関連リストの表示などを調整する際に適しています。例えば、特定の項目を必須項目にしたり、特定のプロファイルに対してのみ項目を表示したりする場合に有効です。
一方、Lightningアプリケーションビルダーは、より高度な画面レイアウトのカスタマイズに適しており、複数のコンポーネントを組み合わせて画面を構成したり、条件に応じて表示するコンポーネントを切り替えたり、あるいは動的なレイアウトを作成する場合などが具体例として挙げられます。
ページレイアウト設定を使った画面カスタマイズの手順を、具体的に説明していきます。初めての方でも迷わずに設定できるよう、順を追って見ていきましょう。
まず、Salesforce画面の右上にある歯車の形をした「設定」アイコンをクリックします。表示されるドロップダウンメニューから「設定」を選択してください。この操作で、システム管理者用の設定画面に移動します。設定画面はさまざまな機能が集約されているため、最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、基本的な操作は簡単です。
設定画面に移動したら、画面上部のナビゲーションバーにある「オブジェクトマネージャー」タブを開きます。一覧から変更したいオブジェクト(「取引先」や「商談」など)を選び、そのオブジェクト名をクリックします。画面右上の「クイック検索」でオブジェクト名を入力して探すことも可能です。
詳細ページが表示されたら、左側のメニューから「ページレイアウト」を選択してください。
ページレイアウトの一覧から編集したいレイアウトを選び、「編集」ボタンをクリックします。
下の画面では、項目の追加や削除、並び順の変更、必須項目の設定などが行えます。新しいレイアウトを作成して特定のユーザーに割り当てることも可能です。業務の流れを意識しながら、使いやすい画面を作っていきましょう。
編集が完了したら、変更内容を細かくチェックします。特に、必須項目の設定や権限の範囲に誤りがないか注意深く確認してください。問題がなければ、タブの左上にある「保存」をクリックします。
これにより変更内容が反映され、設定したユーザーが新しいレイアウトを使えるようになります。
より柔軟な画面カスタマイズが可能なLightningアプリケーションビルダーの使い方を説明します。直感的な操作で画面を作れるため、初心者の方にもおすすめのツールです。
設定画面を開くには2つの方法があります。1つ目は、画面右上の歯車アイコンから「設定」を選び、Lightningアプリケーションビルダーを見つける方法です。
もう1つは、カスタマイズしたいページをあらかじめ開いておき、右上の歯車アイコンから「ページを編集」を選択する方法です。
今回は、1つ目の「設定」から「Lightningアプリケーションビルダー」を選択する方法で解説します。Lightningページでは画面中央の「新規」ボタンから「アプリケーションページ」を選択し、「次へ」をクリックします。
そうすると表示ラベルの入力画面が現れるので、任意の値を設定します。
レイアウトテンプレートは「1つの範囲」を選択します。テンプレートは後から変更することもできるので、まずは基本的なものから始めるのがおすすめです。
「リストビュー」や「レポート」など、必要な機能を選んでドラッグ&ドロップで配置していきます。配置したコンポーネントをクリックすると、右側に設定パネルが表示され、ここで表示データの条件設定や、見た目のカスタマイズができます。部門の要望を聞きながら、使いやすい画面を作りましょう。
新規ページの作成が完了すると、画面左側に利用可能なコンポーネントの一覧が表示されます。
編集が完了したら、すべての設定内容を再確認します。問題がなければ画面右上の「保存」をクリックし、続いて「有効化」を押します。有効化の際は、組織全体のデフォルト設定にするか、特定のアプリケーションだけに適用するか、また誰がそのページを使えるようにするかを選択できます。これで設定は完了し、すぐに新しい画面が使えるようになります。
Salesforceの画面カスタマイズは、業務効率を高める重要な取り組みです。この記事で解説した手順に従えば、基本的なカスタマイズは自分で行えるようになるはずです。ただし、より複雑な設定や大規模な変更を行う場合は、専門家に相談することをおすすめします。カスタマイズの方向性に迷った場合は、まず部門ごとの業務の流れを整理し、どんな画面があれば効率が上がるかを検討してみましょう。画面カスタマイズについて、さらに詳しい相談や支援が必要な方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。経験豊富な専門家が、貴社の業務に最適な画面設計をご提案いたします。
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