Webマーケティングやデジタルマーケティングにおいて、顧客情報の迅速な収集と活用は非常に重要なプロセスです。ユーザーの情報を効率的に取得しリードへと育成するためには、ユーザーにとって使いやすく効果的な入力フォームが必須となります。HubSpotでは、このニーズに応える強力なフォーム作成機能を提供しています。本記事では、HubSpotのフォーム作成機能の概要や無料版と有料版の違い、利用方法、おすすめの活用方法などについて解説していきます。
この記事の概要
・HubSpotとLINEを連携させるメリットがわかる
・HubSpotとLINEを連携させる方法とツールがわかる
・HubSpotとLINEを連携させることによって生まれるマーケティングの効果がわかる
HubSpotとLINEを連携させると、顧客対応やマーケティング施策に多くのメリットが生まれます。メリットには主に、顧客(ユーザー)とのコミュニケーション効率化やマーケティングの自動化、顧客データの一元管理などのメリットがありますが、その詳細については こちら の記事をご覧ください。
HubSpotとLINEを連携させる方法はいくつかありますが、以下の4つがその代表的な方法です。いずれの方法もLINEと連携を行う際には、HubSpotから旧来のAPIキーに代わる「個人アクセストークン(Private App Token)」を取得しておく必要があります。個人アクセストークンは、外部ツールやサービスとHubSpotをAPI経由で安全に連携するために必要になります。
※ HubSpot APIキーは、2022年11月30日をもって廃止され、サポートも終了しています。下記を含む連携アプリの認証には個人アクセストークンが必要となり、HubSpot APIキーの使用を続けると(廃止以前にアプリとHubSpotをAPIキーにて連携させた場合)、アカウントやデータに対するセキュリティー上のリスクが生じることがあります。
個人アクセストークンを取得するには、非公開アプリを作成する必要があります。はじめにHubSpotの初期画面から右上の「歯車」マークをクリックし、設定画面に移動します。
次に画面左側のメニューから「連携」→「非公開アプリ」を選択し、非公開アプリの作成を開始します。
以降は画面の指示に従って「アプリ名(任意の名前)」や「説明(アプリの用途や目的を記入)」、「アクセス権限(スコープ)」などを記入し、「アプリを作成」に進みます。
アプリの作成が完了すると個人アクセストークンが生成されています。個人アクセストークンは、自動的に生成されます。
個人アクセストークンは一度しか生成されないので、必ずコピーして安全な場所に保存しておきましょう。
Professionalの全機能に加えて、センシティブデータのコレクションのサポート(ベータ)を利用できます。
Make(旧Integromat)は、チェコ共和国のスタートアップ企業であったIntegromat社(現在はドイツのCelonis社が事業を買収)が開発・提供していた自動化プラットフォームです。Makeは自動化による効率的なデータフローを構築することで、データ処理プロセスの簡素化や最適化、統合を実現します。Makeの1番の特徴は、コードをほとんど必要とせずに(ノーコード)、複数のアプリ間のタスクを自動化できるという点です。以下、Makeを使ってHubSpotとLINEを連携させる方法を紹介します。
※Makeを活用するためには、サービスへの登録と各アカウントの紐付けが必要です。Makeは無料のFreeプランから使えますが、データ転送量や処理数に応じて上位プラン(有料)へのアップグレードが必要になります。
1. Makeにサインアップする
Makeのアカウントを作成し、ダッシュボードにログインします。
2. Scenarioを作成する
LINEとHubSpotをアプリとして選択し、連携のScenario(シナリオ)を設定します。
3. Webhookの設定
LINEのWebhook URLを取得し、Makeに登録します。
4. API接続
HubSpotの個人アクセストークンを使用して、HubSpotアカウントをAPI接続します。
5. 動作テスト
設定後は連携がうまく行っているかどうかテストし、正しく動作することを確認します。
上記の設定が完了していれば、LINEの問い合わせデータをHubSpotのCRMに自動登録したり、HubSpotでフォーム送信があったときに、LINEでブロードキャストメッセージを配信したりすることができます。
HubSpot LINE OAとは、HubSpotとLINEの公式アカウント(Official Account)を連携させるソリューションです。このソリューションはHubSpotとLINE公式アカウントとの連携に特化したもので、Makeのようにさまざまなアプリケーションと連携(自動化)を行うものではありません。この連携により、LINE公式アカウントを通じてユーザーの行動や属性に基づいた(パーソナライズされた)メッセージを自動的に送信することや、LINEのオープン率(既読率)やクリック率などのデータをHubSpotで分析し、キャンペーンの効果を測定・改善すること、LINEの利用者データを活用したセグメント化や、他チャネルとの連携を容易に行うことができます。HubSpot LINE OAを使った、HubSpotとLINEの連携方法は以下の通りです。
1. LINE Developersにアカウントを作成
LINE Official Accountを作成し、必要な情報を設定します。
2. APIの接続
HubSpotの個人アクセストークンを使い、LINE OAと連携します。
3. Webhookの設定
Webhookとは、特定のイベントが発生した際に通知を送る仕組みを言います。LINE OAで特定のアクションをトリガーとして、HubSpotにデータを送信するように設定します。
4. 自動メッセージの設定
HubSpotで顧客セグメントを作成し、それに基づいたLINEメッセージを設定しておきます。
5. 動作テスト
連携がうまく行っているかどうかテストし、正しく動作することを確認します。
上記ではLINE OAを使ってHubSpotとLINEを連携させましたが、Webhookの仕組みを使うと他の方法でも連携を行うことができます。手順がかなり複雑になりコードの知識も要りますが、上記より多くの連携ができるようになります。ただしWebhook を効果的に活用するためには、PHPやJava、Python などのプログラミング言語に精通しているメンバーが必要になることは覚えておきましょう。
1. Webhookのアクション設定
HubSpot のマーケティング・オートメーションのシナリオで、「Webhookアクション」を定義します。
2. LINE公式アカウントでの設定
LINE 公式アカウントの管理画面で、「応答設定」メニューを選択し、Webhookを「オン」にします。
※個人アクセストークンも用意しておいてください。
3. JSON 形式でのデータ通信
HubSpot で設定したWebhookアクションが呼び出されると、指定された URL にコンタクトのデータが JSON 形式で送信されます。※JSONとはJavaScript Object Notationの略で、JavaScriptのオブジェクト記法を用いたデータ交換フォーマットです。
4. アクション実行の確認
LINE はJSON形式での通知を受け取り指定されたアクションを実行するので、確実に実行されているかを確認します。
LITTLE HELP CONNECTは、リトルヘルプ・エージェンシー合同会社が販売するAI搭載のツールです。本ツールはLINEとHubSpotをシームレスに連携させ、集約された顧客データをもとにLINEでひとり一人にアプローチするなど、顧客関係管理やマーケティングを支援することができます。
たとえばLITTLE HELP CONNECTは、LINE公式アカウントの友だちをHubSpot上で一元管理すること、HubSpotのワークフローと連携してユーザーの行動に合わせた自動メッセージを配信すること、ノーコードでプログラム可能なチャットボットを構築し、顧客対応の自動化と効率化を図ることなどができます。LITTLE HELP CONNECTはLINEとHubSpotを連携させる専用のツールなので、専門的な知識がなくても設定が可能です。初心者にも使いやすいと言えますが、メッセージの数やユーザー数に応じて月々の利用料がかかります。
1. アカウント作成
LITTLE HELP CONNECTのアカウントを作成し、ログインできる状態にしておきます。
2. LINEとHubSpotのアカウントを接続
LINEアカウントとHubSpotアカウントを接続します。接続の操作は簡単ですが、個人アクセストークンは必要になります。
3. テンプレートの利用
データのやり取り方法に応じていくつかのテンプレートが用意されているので、テンプレートを活用して設定を簡略化します。
4. 動作テスト
LINEからHubSpotへのデータ連携が正常に行われることを確認します。
HubSpotとLINEを連携させることにより、顧客ごとにパーソナライズされたコミュニケーションが可能になり、顧客体験の向上が見込めます。また顧客のニーズや状況に応じた情報を、最適なタイミングでLINEを通じて届けることで、顧客満足度も向上させることができるでしょう。その他にも、この連携では以下のようなマーケティング効果が期待できます。
● キャンペーンの効果測定と最適化
HubSpotとLINEの連携では、LINEで配信したクーポンの使用率をHubSpotでトラッキングすることや、開封率やクリック率をもとにした配信メッセージの最適化が可能になります。LINEで実施したキャンペーンのデータをHubSpotで分析することで、キャンペーンの成果を可視化し、次の施策に活用することができるのです。これにより、ROI(投資対効果)を向上させることが可能となるでしょう。
● リードナーチャリングの強化
HubSpotのリード管理機能とLINEの高いユーザー接触率を組み合わせることで、リード顧客を効果的に育成(リードナーチャリング)できます。例としては、HubSpotで作成したフォームからの資料請求後にLINEでフォローアップメッセージを自動送信する、ウェビナーや製品デモの案内をLINEで配信し、HubSpotで登録管理する、などの活用が考えられます。LINEを通じて段階的に顧客に情報を提供し、顧客の興味・関心を深めることが可能となります。
その他、HubSpotとLINEを連携させるメリットやマーケティングへの効果はこちらの記事をご覧ください。
HubSpotとLINEの連携は、顧客対応やマーケティング活動において多くのメリットを生みます。LINEでの高いユーザー接触率を活かしながら、HubSpotの強力なCRM機能を活用して、リードナーチャリングやキャンペーン効果の最適化が実現できるのです。MakeやLITTLE HELP CONNECTなどのツールを活用すれば、設定や運用も容易です。マーケティング施策の精度向上や、顧客体験の向上に役立つソリューションとして活用してみてはいかがでしょうか?
なお、株式会社ハレフルではHubSpotやSalesforceの導入・運用支援を行っております。「自社にあったCRMの選定から相談したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」という場合には、お問い合わせからご連絡ください。