この記事の概要
・SEO対策とトピッククラスターの概要がわかる
・HubSpotのSEOツールがわかる
・HubSpotのSEOツールでできることがわかる
・HubSpotのSEOツールの使用方法がわかる
・HubSpotでSEOツールが使える料金プランがわかる
HubSpotのSEOツールについてお話しする前に、まずはSEO対策がどのようなものかを確認しておきましょう。SEOとはSearch Engine Optimization(サーチエンジン最適化)の略で、SEO対策とは検索エンジンで自社のウェブサイトやコンテンツを上位表示させるための最適化対策(手法)を言います。
検索エンジンのアルゴリズムは年々複雑化しており、また検索エンジンがどのように検索順位を決めているかは公開されていませんが、基本的には「ユーザーが求める情報を適切に提供する」ことが重要といわれています。
SEO対策のポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
● キーワードの適切な選定と活用
ユーザーの検索意図に合ったキーワードを調査し、コンテンツに自然に組み込むことが重要です。GoogleキーワードプランナーやAhrefs、Ubersuggestなどのツールを用い、検索ボリュームや競合状況を分析しましょう。
● 高品質でユーザー志向のコンテンツ作成
Webに掲載されるコンテンツの質は、SEO成功の鍵となります。検索エンジンは、ユーザーに価値を提供するコンテンツを高く評価するからです。コンテンツは以下のような点に留意して作成する必要があります。
・オリジナリティ : 他サイトのコピーではなく、独自の情報や視点を提供すること
・専門性と信頼性 : 特定のトピックに関して詳しく掘り下げ、信頼できるデータや引用を含むこと
・更新頻度 : 定期的にコンテンツを更新し、最新情報を提供すること
また、Webページを訪問したユーザーが直帰しないよう、読みやすい構成(見出しや箇条書きの使用)を心がけ、内部・外部のリンクを適切に配置します。
● テクニカルSEOの最適化
サイトの技術的側面を最適化することで、検索エンジンがより効率的にサイトをクロール(調査)し、インデックスできるようにします。たとえば、スマートフォンやタブレットで快適に閲覧できるレスポンシブデザインを採用することや、ページの読み込み速度を向上させるための工夫(画像の圧縮、キャッシュの利用、不要なスクリプトの削除、等)を行うこと、適切なURL構造、XMLサイトマップの生成、内部リンク戦略を強化し、検索エンジンとユーザーがサイトを簡単に閲覧できるようにすることなどです。
特にコンテンツは、ユーザーの検索意図に合致した記事を作成することが大きなポイントであり、その効果を最大化する手法としてトピッククラスターが挙げられます。
HubSpotのワークフロー機能も、さまざまな業務やプロセスを自動化し、効率化することができます。マーケティングやセールス、カスタマーサポートにおけるタスクを自動化し、繰り返しの作業を省いてリソースを他の重要な業務に割り当てることができます。
トピッククラスター(Topic Cluster)は、特定のテーマやトピックに関連するコンテンツを体系的に整理・リンクさせるサイト構造をいいます。トピッククラスターは、検索エンジンとユーザーの双方にとってコンテンツを見つけやすく、利用しやすいものにすることを目的として用いられます。トピッククラスターは、ピラーページ(Pillar Page)とクラスターコンテンツ(Cluster Content)で構成され、これらは内部リンクで相互に結びつきます。
● ピラーページ
トピッククラスターの中心となるページで、特定のテーマについて幅広く概要を説明します。
● クラスターコンテンツ
ピラーページで取り上げたトピックを、詳しく掘り下げた個別のページや記事です。概念的にはこれらのコンテンツが、ピラーページに放射状にリンクします。
最終的にピラーページとクラスターコンテンツを、内部リンクで相互に結びつけます。これにより、コンテンツ全体が一貫性を持ち、検索エンジンに対して「このトピックに詳しいウェブサイト」と認識されやすくなります。
HubSpotのSEOツールは、HubSpotに登録している自社のWebサイトにSEO対策を施すために使うツールです。具体的にはサイトのパフォーマンス分析やトピッククラスターの作成・管理、Google Search Consoleとの連携などを行い、効果的な検索エンジン最適化を支援してくれます。次章でその内容について見ていきましょう。
HubSpotのSEOツールは、HubSpotに自社サイトとして登録されたWebサイトのパフォーマンス分析をしてくれます。Webサイトの技術的な状態(テクニカルSEO)やページの読込速度、モバイル対応状況(モバイルフレンドリー性)、サイト内のタグやリンク構造の最適化状況などを分析し、改善提案が提示されます。改善提案はSEOへの影響が三段階(高・中・低)で表されるので、状況が深刻なものを優先して対処することができます。
SEOツールのトピッククラスター作成機能は、特定のテーマに関連するコンテンツを体系的に整理し、内部リンクで結びつける支援をしてくれます。メイントピック(ピラーページ)の追加からサブトピックキーワード(クラスターページ)の追加、コンテンツの関連付け、内部リンクの設定まで、画面の指示に従ってコンテンツを作成(もしくは登録)していけば、自然にトピッククラスターができあがるようになっています。
Google SearchConsoleは、WebサイトのパフォーマンスをモニタリングするためにGoogleが無料で提供している分析ツールです。HubSpotのSEOツールにはこのツールとの連携機能があり、GoogleアカウントをHubSpotに接続することで、検索クエリ(キーワード)の分析やインデックス登録されているページの確認、モバイルフレンドリーの状況などがHubSpotで行えるようになります。Google Search ConsoleのデータをHubSpot内で統合的に管理することで、SEO対策の素早い分析と改善が可能になります。
HubSpotのSEOツールには、使うメリットとデメリットがあります。SEOツールを使う前に確認しておきましょう。
● SEO対策の一元管理
コンテンツの作成から分析・改善までを一つのプラットフォームでSEO対策を管理することが可能になります。
● 初心者でも使いやすいインターフェース
HubSpotは、直感的な操作性で初心者でも使いやすいインターフェースを実装しています。SEO対策のために専門の技術者を用意する必要がありません。
● 無料で利用可能
使える機能の制限はありますが、無料プランでもSEOツールを使うことができます。
● 高度なデータ分析機能
有料プランのランクに依りますが、高度なデータ分析機能があり効果的なSEO対策を行えます。
● 料金プランによる機能の制限
料金プランによって使える機能や分析のレベルが制限されています。高度なSEO対策を行うには上位プランに加入する必要があります。
● 他社ツールとの差
複雑で高度なSEO対策を行うには、HubSpotのSEOツールでは力不足です。高価な専門ツールと比較すると機能の不足は否めません。
● 日本語表記の違和感
HubSpotは米国製のツールなので、日本語表記に違和感を感じる人もいます。ただしこれは機能には関係しません。
SEOツールが利用可能なHubSpotの製品は「Marketing Hub」と「Content Hub(CMS Hub)」になります。また「無料ツール」でも簡易なSEOツールを使用できますが、SEOツール(トピッククラスターを作成する場合)の使用前には以下の準備をしておきましょう。
● トピックの選定
キーワードのリサーチツールを活用し、自社の商品やサービスと関連性の高いトピックを選びます。HubSpotでは検索ボリュームや競合性を基にキーワードを選ぶことができます。
● ピラーコンテンツを作成
選定したトピックに基づいて、中心となる記事を作成しておきます。この際、情報の網羅性や検索意図への適合性を重視してください。
● クラスタコンテンツの連携準備
関連するサブトピック(クラスタコンテンツ)の記事を作成し、ピラーコンテンツにリンクする準備をしておきます。HubSpotのSEOツールでは、視覚的にトピッククラスターを構築できるため、全体の構造を簡単に把握できます。
ここまでの準備ができたらMarketingHubやContent Hubからサイトを公開し、GoogleSearch Consoleと連携させたHubSpotのダッシュボードを活用し、パフォーマンスを分析します。分析後はHubSpotのダッシュボードから左端の「コンテンツ」に進み、「SEO(検索エンジン最適化)」を選んでSEO対策をスタートさせます。
先述のようにHubSpotのSEOツールは「Marketing Hub」と「Content Hub」で利用可能です。各々無料プランでも使うことはできますが、無料プランでは簡易的な機能しか使うことができません。今回ご紹介しているトピッククラスターの作成も、最も廉価なStarterでは使えず、Professionalからの使えるようになります。各料金プランでは、以下のようなSEO機能を使うことができます。
・無料プラン
最も基本的なSEO対策の推奨のみ
・Starter
最も基本的なSEO対策の推奨のみ
・Professional及びEnterprise
トピッククラスターの作成・管理、高度な分析機能とSEO対策の推奨、コンテンツ戦略の推奨、Google SearchConsoleとの連携
効果的なSEO対策を自社サイトに求めるのであれば、Professional以上のプランを選ぶようにしましょう。
HubSpotのSEOツールは、トピッククラスターを用いたコンテンツ戦略において非常に有益なツールだと言えるでしょう。使いやすさや機能性、データ分析の精度に優れており、SEO初心者から経験者まで幅広い層に対応しています。有料のプランを選択する必要がありますが、効果的なSEO対策を実現したい企業や個人には最適なツールです。HubSpotのSEOツールで効果的なトピッククラスターを構築し、検索エンジンでのプレゼンスを最大化してみてはいかがでしょうか?
なお、株式会社ハレフルではHubSpotやSalesforceの導入・運用支援を行っております。「自社にあったCRMの選定から相談したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」という場合には、お問い合わせからご連絡ください。