HubSpotには、GmailやOutlookなどの個人のメールの受信トレイをHubSpot CRM に接続できる「Eメール連携機能」があります。この機能を利用すれば、Eメールの送受信の情報をHubSpot CRM に記録しながら、使い慣れている受信トレイでメールを送受信し、HubSpotの顧客関係管理(CRM)システムの豊富な機能も利用することができます。本記事では、メール連携機能のメリットや連携方法、連携時に注意すべき点などについて解説していきます。
HubSpotを導入したら、まず設定してほしいのがこの「Eメール連携機能」です。はじめに、この機能でできることについて解説します。
HubSpotには、「無料ツール」、「Starter」、「Professional」、「Enterprise」と、個人ユースから大規模企業向けまでいくつかのエディションがあり、メール連携機能はすべてのエディションで利用できます。セールスオペレーションの自動化や拡大のために高度な機能が必要な場合は、「Starter」、「Professional」、「Enterprise」の有料プランでさらに充実した機能が使えます。
HubSpotのメール連携機能は、特にビジネスシーンで多く使われている以下のメールサービスと連携が可能となっています。
・Gmail
・Microsoft Outlook
・Microsoft Exchangeなど、その他のメールプロバイダー
それぞれのサービスをHubSpotに連携させる設定手順については、「メール連携機能の設定方法」で説明します。
HubSpotのメール連携機能を使って送受信されたEメールは、それが個人用のアカウントで送受信されたものであっても、すべて自動的にCRMに記録されます。また連携の設定が完了すれば、CRMからも直接メール送信するが可能になります。これらのメールの送受信記録はチームの全員に共有されるため、以下のようなメリットがあります。
CRMに顧客とのやり取りが記録されるため、次の顧客へのアプローチを明確化することができます。また情報を全員で共有することになるため、担当者が不在のときに他の担当者が対応するなど、顧客へのフォロー漏れを防ぐことも可能です。
メール(情報)が個人のアカウントに蓄積されているということは情報の属人化につながりますが、メール連携を設定すればこれらの情報はチーム間で共有されるようになります。つまり顧客との重要なやり取りが、会社の資産として共有されることになります。
営業パーソンやサポートチームが顧客にどのようなメールを送っているかが明確になるので、内容に不備があれば適切なアドバイスをすることも可能です。これにより営業効率やサポートの品質改善につながるでしょう。
Eメールトラッキングとは、送ったメールに対してコンタクト(顧客)がメールを開封、リンクをクリック、添付ファイルをダウンロードするといったアクションを起こすと、即座に担当者へ通知が届く機能です。特に重要な通知はアクティビティフィードの先頭に表示されるので見逃しません。
Eメールに対するコンタクトの行動履歴はHubSpotに標準で搭載されているアクティビティーストリーム機能で自動的に記録され、簡単に確認できます。
これらの機能を使うことで、メールを開封した顧客に電話やメールでのインサイドセールスや適切なコンテンツを送信してフォローができます。
また、メールを開封していない顧客には継続して案内メールを送るなどのアプローチできるでしょう。この機能をうまく使うことで、ホットリードやウォームリード、コールドリードなどの判別もしやすくなり、営業の効率化にもつながります。
メールテンプレート機能は、過去に効果のあったメールのテンプレートをチームで共有したり、AIを活用したりして、効果的なテンプレートを新たに作成できる機能です。
通常、営業用のメールを作成するには時間がかかり、用途ごとに使い分ける手間もかかりますが、本機能を使えば直観的なインターフェイスで作られたデザインや既成のデザインなどを活用して、簡単にEメールを作成し送信できます。
HubSpotにあらかじめ用意されているテンプレートは、自社のブランドイメージやコンテンツのニーズに合わせて自由にカスタマイズできるようになっています。メールの内容に合わせてリード醸成に効果的なメールを作成するのに役立つでしょう。
では実際に、どのような手順でメール連携機能に自分のメールアドレスを連携させていくのか?その手順を紹介していきます。
無料でしかも使い勝手のいいGmailは、個人ユースだけでなく、今やビジネスの現場でもよく使われるメールサービスです。GmailをHubSpotに連携させるには、以下の手順で設定を進めます。
ただしこのままでは、まだGmailの受信トレイからHubSpotの機能は使えません。そのため、[拡張機能をダウンロード] をクリックし、拡張機能(アドイン)をダウンロードしてインストールします。
GmailやOutlookなど、自分のメールサービスに合わせて拡張機能をダウンロード/インストールすれば、Eメール連携機能のセットアップは完了です。
Office365に包含され、単独でもメールサービスとして使えるOutlookも、ビジネスの現場ではよく使われるサービスです。OutlookもGmailとほぼ同じ手続きでHubSpotと連携できます。
1.HubSpotの初期画面から、設定 > 全般 > Eメールタブの順に開き、[ユーザー個人のEメールを接続] をクリックします。
2.次に[受信トレイの自動化を有効化] にチェックを付け、[受信トレイを接続] をクリックします。
3.次の画面でoutlookのメールアドレス(******@outlook.com)を入力し、[Outlook 365に接続]をクリックします。
4.あとは指示に従って手続きを進め、Microsoft Outlookアカウントにサインインすれば手続きは完了です。最後に、Gmailと同様に拡張機能をダウンロードしてインストールします。
HubSpotにはGmailやOutlookの他にも、メールの送受信にIMAP(Internet Message Access Protocol)を使うアカウントであれば、連携できる可能性があります。ただしこの連携にはさまざまな技術的条件がありますので、社内にITの担当者がいれば事前に相談をしておく必要があります。また上記のような拡張機能が用意されているわけではないので、すべてのアカウントやメールサービスが連携できるとは限りません。技術的要件とHubSpotのプライバシー概要をよく確認の上、手続きを進めましょう。
メリットの多いEメール連携機能ですが、少なからずデメリット(注意点)もあります。連携機能を利用する際には、以下のような点に注意して設定するようにしましょう。
Eメール連携機能では、会社名や顧客の姓名などが自動連携できない場合があります。たとえば大企業などの場合、グループ会社や子会社とドメイン名を共有しているケースでは、自動連携できない場合があるので、別途紐付け作業が必要になります。
社内メールにGmailやOutlookを使用している場合、必要に応じてメーリングリスト機能を使っている場合もあるでしょう。このような場合、顧客からのメールのみならずメーリングリストでのやり取りも連携されてしまうことになります。Eメール連携機能を使う場合には、このような事情で受信トレイが煩雑になってしまうことも考慮に入れておきましょう。
本記事では、HubSpotのEメール連携機能について紹介しました。
この機能を利用することで、営業活動や顧客サポートの効率化や改善、品質向上が見込め、顧客とのやり取りの明確化・共有によって、情報の属人化を防ぐことができます。GmailやOutlookをビジネスにお使いであれば、設定は簡単です。ぜひHubSpotのEメール連携機能を活用してみてくださいね。
なお、株式会社ハレフルではHubSpotやSalesforceの導入・運用支援を行っております。「自社にあったCRMの選定から相談したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」という場合には、お問い合わせからご連絡ください。