この記事の概要
・HubSpotのダッシュボードの概要がわかる
・ダッシュボードでできることと、メリットがわかる
・ダッシュボードの作成手順がわかる
・効果的で見やすいダッシュボード作成のポイントがわかる
HubSpotのダッシュボードは、マーケティング、営業、カスタマーサービスなど各部門のデータを一元管理し、視覚的に表示するツールです。これにより、複数のレポート(営業部門の売上予測やマーケティング部門のコンバージョン獲得状況、カスタマーサービス部門の顧客対応状況など)を一つの画面で確認でき、リアルタイムでの状況把握が可能となります。
ダッシュボードは部門や目的に応じて複数作成でき、ユーザーごとにアクセス権限を設定することも可能です。さらに、外部コンテンツの埋め込みやデータのエクスポート機能も備えており、部門内での情報共有や分析を効率的に行えます。これらの機能を活用することで、データドリブンな意思決定が促進され、業務の効率化と成果の向上が期待できます。
● レポートの一元管理
HubSpotのダッシュボードでは、複数のレポートを一元管理し1つの画面に表示することができます。これにより、異なるKPIや指標を比較しながら、それぞれのパフォーマンスをリアルタイムで監視できます。たとえば、マーケティング部門はリードの獲得数やコンバージョン率、営業部門は売上や案件の進捗状況を一目で確認できます。また、レポートはドラッグ&ドロップで簡単に追加・削除でき、必要な情報だけを整理して表示することが可能です。レポートの一元管理は、複数のレポートを一つの画面でまとめて表示できるため、情報の整理と共有が容易になるメリットがあります。
● チャート・グラフの自動作成
データを効果的に活用するためには、数値を視覚化することが重要です。HubSpotのダッシュボードでは、折れ線グラフや棒グラフ、円グラフなど、さまざまな形式でチャートやグラフを自動生成することができます。たとえば、月別の獲得リード数を折れ線グラフで表示することで、どの月に成果が出ているのか、また獲得数が少なく、対策が必要な月(時期)などを簡単に把握できます。また、カラーカスタマイズやラベルの追加も可能で、より分かりやすいデータ分析を実現します。この機能によりレポートを迅速に作成し、会議や戦略策定の場での意思決定にも活用できます。チャートやグラフの自動生成では、データの傾向やパターンを直感的に理解できるようになります。
● 外部プラットフォームとの連携
HubSpotのダッシュボードは、Google AnalyticsやGoogle Ads、Facebook、LinkedInなどの外部プラットフォームと連携し、各種データを統合できます(コネクター機能)。たとえば、Google AnalyticsとHubSpotを連携させることで、Webサイトのトラフィックデータをダッシュボード上でリアルタイムに確認できます。また、広告データとマーケティング成果を並べて表示することで、広告施策のROIを簡単に分析できるのも大きなメリットです。この機能により、異なるデータソースを統合し一元的な管理をすることが可能になると共に、包括的な分析もできるようになります。
● フォーキャスト機能による将来予測
HubSpotのフォーキャスト機能は、過去のデータをもとに将来の売上や成約率を予測するのに役立ちます。たとえば、過去6か月間の営業データを分析し、次の四半期の売上を自動的に算出することができるのです。この機能を使えば、営業戦略やマーケティング施策を事前に計画し、リソース配分を最適化することができます。また、予測値と実績を比較することで、戦略の精度を向上させることができるようになります。
● 部門ごとのニーズに合わせてカスタマイズ
HubSpotのダッシュボードは、部門ごとのビジネスニーズに合わせてカスタマイズすることができます。たとえば、営業部門用やマーケティング部門用、経営層用など、それぞれに最適な情報を表示する専用ダッシュボードを作成できます。また、それぞれのダッシュボードにアクセス権限を設定することで、必要な情報だけを関係者に共有することが可能です。さらに、定期的にダッシュボードのレポートをメールで送信する設定もできるので、部門内での情報共有にも役立ちます。
HubSpotのダッシュボードは、以下の手順で作成します。
1.左端のメニューから、[レポート]>[ダッシュボード]の順に進みます。
2.右上の[ダッシュボードを作成]をクリックします。
3.表示されるダッシュボードライブラリーから、目的に合ったテンプレートを選択するか、[新規ダッシュボード]を選択して新しいダッシュボードを作成します。
4.ダッシュボードの名前を入力し(ここではtest1)、アクセス権限を設定した後、[ダッシュボードを作成]をクリックします。
5.作成したダッシュボード上で[レポートを追加]、もしくは[レポートをこのダッシュボードに追加]をクリックし、必要なレポートをダッシュボードに追加します。ダッシュボードに追加したレポートは、ドラッグ&ドロップで配置を変更できます。
6.右上の[アクション]からは、レポートのサイズ調整や名前の変更、複製、削除などの操作が可能です。
これらの手順を踏むことで、データドリブンな意思決定を支援するダッシュボードを作成できます。また次章では、ダッシュボードを見やすく、活用しやすいように調整するポイントをご紹介します。
部署を横断したり、部署内のメンバーと共同で使ったりするダッシュボードは、常に見やすく工夫をしておく必要があります。以下のポイントに注意しながらダッシュボードの表示を調整しておきましょう。
ダッシュボードでは、重要な情報を強調することで人の目に留まりやすくなり、迅速な意思決定が可能になります。具体的には、重要なレポートをダッシュボードの上部や中央など、視線が集まりやすい位置に配置します。また、重要なレポートのサイズを大きくし目立たせます。
ダッシュボードのウィジェットとは、ダッシュボード上でデータを視覚的に表示するための要素のことを指します。ウィジェットには、レポートやチャート(グラフ)、表形式、指標(KPI)などのデータ表示機能が含まれており、マーケティングや営業のKPI(主要業績指標)を一目で確認できるように設計されています。ダッシュボードに表現したい内容と、合致したウィジェットを選択するようにしましょう。たとえばチャートの種類にしても、棒グラフを用いるのが良いのか、折れ線か、円グラフか、伝えたい内容によって選択するチャートは変わります。また「表示オプション」からは、軸のラベルや凡例、データラベルなども調整できます。
統一感のあるデザインは、視認性を高め、情報の伝達を円滑にします。各レポートの編集画面で、チャートの色をできる限り統一しておきましょう。チャートで表される色の意味がレポートごとに違うのは、混乱を招きかねないからです。また、チャートの色ほど重要ではないかもしれませんが、レポートに使うフォントも統一しておきましょう。それぞれのレポートで使われるフォントが異なると、微妙に読みにくく思えてしまうものです。
なるべく多くの情報をダッシュボードに詰め込み、正しい判断をしたいという気持ちになるかもしれません。ですが、過度な情報や装飾を排除することで、重要なデータに集中でき、かえって理解は容易になるものです。ダッシュボードから不要なレポートやウィジェットを削除し、関連性の高いレポートを近くに配置するなどして、シンプルで見やすいダッシュボード作りを心がけましょう。
ダッシュボードでは、フィルターを使ってレポートを絞り込むことができます。適切なフィルター条件を設定してダッシュボード全体に適用すれば、特定のデータに焦点を当てることができるようになり分析の精度が向上します。
HubSpotのダッシュボードは、マーケティングや営業、カスタマーサービスのデータを一元管理し、リアルタイムで情報を可視化できる便利なツールです。チャートの自動作成や外部ツールとの連携、フォーキャスト機能などを活用することで、データドリブンな意思決定も可能になります。ダッシュボードの活用時には、重要な情報の強調やウィジェットの選択、カラーテーマの統一、フィルターなどを使って、見やすく効果的なダッシュボードを作成しましょう。
なお、株式会社ハレフルではHubSpotやSalesforceの導入・運用支援を行っております。初期設定や操作方法などから、自社にマッチしたサポートをご提案しており、CRMの導入は初めてという企業様も安心してご依頼いただけます。「自社にあったCRMを選定してセールスやマーケティングを効率化したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」など、HubSpot導入に関する具体的な相談や、プランの選び方についてお困りの方は、お問い合わせからご連絡ください。