この記事の概要
・コンテンツマーケティングとは何か?がわかる
・コンテンツマーケティングのメリットがわかる
・コンテンツマーケティングで行う施策がわかる
・HubSpotでコンテンツマーケティングを始めるステップがわかる
・Content Hubの概要がわかる
コンテンツマーケティングとは、ターゲットとなる顧客(見込み客や潜在顧客を含む)に価値ある情報や魅力的なコンテンツを提供することで、ブランドの認知度を向上させ、顧客の信頼を得てから、自社商品やサービスの価値を知ってもらうというマーケティング手法です。このアプローチでは、広告を届けることや販売を直接的な目的とするのではなく、顧客が求める情報や問題解決の手助けを通じて「自然に関係を築く」ことを重視します。
たとえば、以前は顧客のニーズに関係なく、一方的に大量に広告を送りつけるようなマーケティングが行われたこともありました。このような企業の都合を優先した一方的なマーケティングは、顧客からの信頼を失い、結果として嫌気され、大きな成果を上げることはできませんでした。これは企業によって届けられたコンテンツや広告が、その顧客にとってまったく必要がなかったということ意味しています。このようなことを繰り返していれば、自分のニーズをまったく理解していない企業に対して顧客は失望し、以後はそのブランドに良いイメージを持たなくなることも考えられます。
コンテンツマーケティングの特徴は、長期的な視点で顧客とブランドの関係を構築する点です。ブログやホワイトペーパー、動画、ソーシャルメディアへの投稿、ポッドキャストなど、さまざまな形式のコンテンツが、このマーケティング手法では活用されます。これらのコンテンツは、顧客の興味や課題に応じて作成され、検索エンジンやSNSでの拡散を通じて顧客に届けられます。顧客にとって価値のある情報の提供がブランドや商品に対する好印象を生み、将来の買い手を創出するきっかけとなるのです。
コンテンツマーケティングでは、顧客と自然な形で関係を築くことができると言いましたが、他にも以下のようなメリットがあります。
● ブランド認知度の向上
顧客にとって価値のあるコンテンツを提供することで、ターゲットとなる顧客層に自社のブランドを広く認知してもらうことができます。検索エンジン最適化やソーシャルメディアを活用することで、顧客のニーズに合った情報が多くの人に届き、ブランドの存在感が高まります。
● 信頼関係構築による差別化
顧客の役に立つ情報を提供し続けることで、顧客からの信頼を獲得することができます。信頼は将来的な購買行動につながる重要な要素であり、顧客が自社を「頼りになる情報源」と認識することで、競合他社との差別化にもつながっていきます。
● 潜在顧客と見込み顧客の獲得、育成
コンテンツマーケティングは、今すぐ商品を買うわけではない潜在顧客や見込み顧客(リード)との接点を増やし、将来の顧客として獲得することができます。これらの顧客に価値のあるコンテンツを提供し続ければ、やがて自社のファンとなり、ロイヤルカスタマー(忠誠度の高い顧客)となる可能性が高まります。ポイントは広告や宣伝、キャンペーンを押しつけるのではなく、興味を惹くことなのです。
● ロイヤルカスタマーが新たな顧客を呼ぶ
ロイヤルカスタマーは、SNSやブログなどを通じて自社のブランドにとって有益な発言や好意的な口コミを発信してくれることがあります。その発信を見た顧客が、新たな顧客となってくれることも少なくありません。多くの顧客から支持されるコンテンツは、SNS上での企業の存在感を高めブランドの魅力も拡散してくれます。
● コンテンツは資産になる
コンテンツマーケティングを目的として創り出したコンテンツは、自社の資産となります。コンテンツは継続的に、そして長期に渡って顧客の興味を惹き、自社サイトへと顧客を誘導してくれます。
● 長期的なコスト削減
広告費を投入して短期的な成果を得る従来型のマーケティングと比べ、コンテンツマーケティングは一度作成したコンテンツが長期的に効果を発揮するため、コスト効率が高いと言えます。特に検索エンジンで上位表示されるコンテンツは、継続的な顧客の流入を生み出すので宣伝広告費の削減が期待できます。
では、具体的にコンテンツマーケティングを進めるにあたり、どのような施策をしていくべきなのでしょうか?ここでは主にBtoBでコンテンツマーケティングを進める際の施策について説明します。
● ブログ記事の作成
ブログは主にBtoCで有効な手段と思われがちですが、内容によってはBtoBの施策としても有効です。企業として発信するサービスの紹介や事業への取り組みは、パートナーを探している企業にとって有益な情報となります。
● ホワイトペーパー
ホワイトペーパー(WhitePaper)は、特定の課題やテーマに関する詳細な情報を提供するために作成される文書のことです。ホワイトペーパーは、製品やサービス、業界の専門知識、ソリューションに関する理解を深めることに役立ちます。ホワイトぺーパーの取得時に会社名やメールアドレスといった情報を入力してもらう仕組みにすれば、自社に興味を持っている企業の情報を取得することも可能になります。
● メールマガジン
メールマガジン(メルマガ)は、費用対効果が高く、ターゲットのセグメンテーションも可能なデジタルマーケティングツールです。メルマガで定期的に価値のある情報を配信することで、見込み客や既存顧客に信頼感を与え、ブランドイメージを向上させることができます。
● セミナー・ウェビナー
セミナーやウェビナーの大きなメリットは、ホワイトペーパーやメールマガジンとは異なり、質疑応答やアンケート、発言を通して双方向的なコミュニケーションがとれる点です。実際、セミナーやウェビナーから商談へとつながることも多く、双方向のコミュニケーションは有効なコンテンツマーケティングの施策だといえるでしょう。また、セミナーや配信の内容は二次利用できるので、有益なコンテンツとして資産にもなります。
● ソーシャルメディアの活用
ソーシャルメディアの一番の特徴は、コンテンツが拡散されやすいということです。顧客にとって有益な情報をソーシャルメディアで発信することで、コストをかけることなく情報が拡散されていきます。また、コメントやダイレクトメッセージなどで、双方向的なコミュニケーションを顧客と取ることも可能です。
HubSpotには、効果的なコンテンツ戦略を展開し、顧客とのエンゲージメントを高めるためのツールとしてContent Hubが用意されています。ここでは、HubSpotでコンテンツマーケティングを進めるためのステップについてお話ししておきましょう。
1. 目標設定
はじめに、コンテンツマーケティングを通じて達成したい目標を明確にします。もし解決したい課題があれば、それも明確にして、何のためにコンテンツマーケティングを行うのかをはっきりさせておきましょう。
2. ペルソナ作成
ペルソナとは、自社のブランドや商品、サービスを必要としている「理想の顧客像」です。コンテンツマーケティングを通じて価値を届ける(ニーズを理解する)ためには、理想の顧客像を作成しておきましょう。ペルソナは細かすぎれば対象が少なくなりすぎ、大まかであれば顧客像がブレてしまいます。BtoCの場合は、年齢や性別、職業、家族構成、趣味嗜好、行動の傾向などを設定しますが、BtoBの場合は事業や企業の規模、持っている課題などを設定してペルソナを作成しましょう。
3. コンテンツの計画
ブログ記事やホワイトペーパー、メールマガジンなど、ペルソナに適したコンテンツの配信計画を作成します。
4. KGI・KPIの設定
KGI(Key Goal Indicator:マーケティングの目的を達成するための最終ゴール)と、KPI(Key Performance Indicators:KGIを達成するために必要な中間目標)も設定しておきましょう。KGIを達成するために、必要に応じてKPIを調整(変更・追加)することが必要です。
5. コンテンツの作成と配信
計画したコンテンツを作成し、配信します。コンテンツの作成や配信が他部署にまたがる場合は、コンテンツの計画を共有し、ズレのないように配信を行います。
6. 効果測定(分析と改善)
コンテンツの配信後は、定期的にKPIを達成できているかどうかを分析し、効果測定をおこないます。分析はGoogle Analytics や Search Console、その他の分析ツールを使い、定量的な結果を社内に示せるようにします。分析結果を元にKPIを調整するなど、PDCAサイクルを回していきます。
HubSpotのContent Hubは、マーケティングや営業、カスタマーサービスの統合ツールであるHubSpotの一部で、企業が効果的なコンテンツ戦略を展開し、顧客とのエンゲージメントを高めるためのツールとしてリリースされています。Content Hubは、ウェブサイトやブログ、ランディングページなどのコンテンツを一元管理し、パーソナライズされた体験を提供できるように設計されています。Content Hubは、主に以下のような機能を持っています。
・魅力的なコンテンツ作成
AIを活用し、顧客を惹きつけるコンテンツをスムーズに作成できる
・コンテンツ管理
ブログ記事やランディングページを一元管理できます。
・SEO支援
コンテンツの検索順位を向上させるための分析を行い、具体的な改善提案を行います。
・パフォーマンス分析
作成したコンテンツごとのパフォーマンスをリアルタイムで確認することができます。
Content Hubを活用すれば、コンテンツ制作から配信、効果測定までをスムーズに行えるので、コンテンツマーケティングの戦略を効率的に、また効果的に強化することができることでしょう。Content Hubの詳細はこちら(Link)のページからご確認下さい。
コンテンツマーケティングは、顧客に価値ある情報を提供しブランド認知や信頼構築を図る手法です。HubSpotのContent Hubを活用すれば、ウェブサイトやブログ、ランディングページを一元管理し、パーソナライズされた顧客体験の提供が可能になり、顧客ロイヤリティを高めることができるでしょう。効率的かつ効果的なコンテンツマーケティングを実現するため、Content Hubの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、株式会社ハレフルではHubSpotやSalesforceの導入・運用支援を行っております。初期設定や操作方法などから、自社にマッチしたサポートをご提案しており、CRMの導入は初めてという企業様も安心してご依頼いただけます。「自社にあったCRMを選定してセールスやマーケティングを効率化したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」など、HubSpot導入に関する具体的な相談や、プランの選び方についてお困りの方は、お問い合わせからご連絡ください。