HubSpotのモバイルアプリでは、ビジネスイベントや展示会などで集めた名刺をスマートフォンのカメラを使って読み取り、簡単に名刺の情報をHubSpotの顧客関係管理(CRM)システムに登録できます。名刺データをデジタル化して顧客情報を一元管理することができ、HubSpotのあらゆる機能を利用できます。
本記事では、HubSpotの名刺スキャン機能にフォーカスして、この機能の利用方法や設定方法について具体的に紹介します。
HubSpotの「名刺スキャン」機能では、iOSまたはAndroidのHubSpotモバイルアプリを利用して名刺情報をスキャンすることで、そのままコンタクトを作成できます。
名刺に記載されている情報をアプリが自動的に解析して、名前や電話番号、Eメールの情報などのデータを適切なプロパティに割り当ててくれるので、手間なしです。
コンタクトの作成完了後は、フォローアップEメールを送信したり、電話をしたりとHubSpotのさまざまな機能で利用できます。
HubSpot製品には、「無料ツール」のほか、「Starter」、「Professional」、「Enterprise」の3種類の有料プランがあり、価格体系が分かれています。
・Starter:HubSpotが初めての企業に手頃なプラン
・Professional:本格的に営業・マーケティングを自動化したい企業向け
・Enterprise:より高度で柔軟な営業・マーケティング・カスタマーサポートなどを検討している企業向け
名刺スキャン機能は、無料ツールを含めたすべてのエディションで対応しており、しかも無料です。名刺のデータ化の枚数に制限はなく、何枚スキャンしても追加で課金されることはありません。初期費用もランニングコストもかからない大変便利な機能ですね。
なお、HubSpotの名刺スキャン機能はAndroidデバイスとiOS 14以上のiOSデバイスで利用可能です。iPadではサポートされていないので注意してください。
HubSpotの名刺スキャン機能では、アプリからスマートフォンのカメラを起動して名刺をスキャンします。情報を読み取ると、そのままコンタクトとして、即時に顧客関係管理(CRM)システムに登録できます。
この機能には、与えられたデータを自ら学習する機械学習が実装されています。一般的なツールでは取り込みに同じようなエラーが繰り返される場合がありますが、HubSpotの名刺スキャン機能は、使えば使うほど賢くなり精度が上がる仕組みになっています。
HubSpotのモバイルアプリは優秀で使い勝手がよいのが特徴です。コンタクトの登録が完了すると、コンタクトの画面から、Eメールやショートメッセージ、電話などのアクションが可能です。ミーティングの設定もタップするだけで簡単で、Eメールの文面は簡単なプロンプトであっという間に作成できます。
また、電話やEメールの履歴やミーティングの履歴の記録、Eメールの開封やリンクのクリックなど、コンタクトとの全てのインタラクションをアクティビティフィードで確認することも可能で、いたれりつくせりな機能が無料で使えるのです。
HubSpotの名刺スキャン機能では、名刺から情報を読み取ると、時間をかけずにコンタクトを作成しCRMに登録できます。
名刺スキャン機能を利用するには、まずiOSまたはAndroidのデバイスに、HubSpotのアプリをダウンロードする必要があります。
HubSpotの公式サイトからアプリをダウンロードしてデバイスにインストールするところから始めましょう。
https://www.hubspot.jp/products/business-card-scanner-app
インストール後はアプリからHubSpotアカウントにログインすると、すぐに同期できいつでも利用できるようになります。
ここからは、実際に名刺スキャン機能を使って、名刺の情報を取り込む手順について解説します。
①デバイスでHubSpotモバイルアプリを開きます。
②トップ画面の一番下にある「+」アイコンをタップしてください。
③コンタクト作成の画面が表示されたら、「名刺スキャン(名刺またはQRコードから
コンタクトを作成)」あるいは「コンタクトスキャン」をタップします。
④スマートフォンのカメラの機能が立ち上がるので、名刺の写真を撮ります。できるだけ室内を明るくして、名刺の文字が鮮明に写るようにしてください。名刺の四隅にオレンジ色の4つのポイントが表示されるので、タップしてドラッグし、名刺のサイズに合わせます。合わせられたら「完了」をタップして名刺を取り込みましょう。
⑥名刺をスキャンすると、読み取られた情報が表示されます。「フルネーム」「役職/職種」「Eメールアドレス」「携帯電話番号」「ウェブサイト」の5つの項目が表示されるので、正しく読み込まれたものにチェックをつけて、右上の「次へ」をタップします。この段階で正しく読み取られていない項目にチェックをしなければ、次のステップで修正できるので、サクサク進めましょう。
⑦チェックがつけられなかった情報があれば、次のステップで、読み込んだほかの情報が表示されます。その中から該当するものがあればチェックをつけます。
⑧すべての情報にチェックが入ると最終確認の画面になります。間違っている情報があれば手修正し、最後に「保存」をタップします。
⑨コンタクトレコードの画面に移り、「コンタクトが保存されました」というメッセージが表示されます。これでコンタクトの登録は完了です。
パソコンでHubSpotのコンタクトの画面を見ると、アプリと同期されていることが確認できます。
HubSpotで名刺スキャンをすると、コンタクトには姓と名が逆に表示されることがあります。この場合は手修正が必要になるので注意してください。
スキャンをして取り込んだ情報が正しくない場合でも、簡単に修正ができるので安心です。
フルネームや電話番号、Eメールアドレスといった基本情報以外にも読み取られたすべての情報はすべて、いつでも一覧で確認できます。修正する必要があれば、その場で該当するプロパティをタップして手動で修正しましょう。
名刺スキャンして登録したコンタクトをHubSpotの管理画面で見ると、「会社名」のプロパティは空欄になっています。会社名と紐づけるためには、会社とコンタクトの自動関連付けをONに設定しておくと、HubSpotのデータベースから会社名が入力されます。
会社名とコンタクトの自動関連は以下の方法で可能です。
①「設定」>「オブジェクト」>「会社」を選択
②「自動的に会社を作成してコンタクトに関連付ける」にチェックを入れます。
これにより、コンタクトのEメールアドレスと会社のドメインに基づき、新規に追加されたコンタクトを会社名と関連付けることができます。
名刺スキャン機能で名刺情報を管理するほか、営業やマーケティング戦略にも活用できます。HubSpotのさまざまなツールと組み合わせてできるおすすめの利用方法を紹介します。
ビジネスイベントや商談などで名刺交換をしたら、すぐにHubSpotのアプリを使って名刺をスキャンしましょう。あらかじめフォローアップEメールのテンプレートを作成しておけば、アプリから、即フォローを実施できます。
テンプレートは、HubSpotのアカウントにログインし、ライブラリー>テンプレート、右上の「新規テンプレート」のクリックで作成できます。
ゼロから作成することもできますが、忙しいビジネスパーソンには、テンプレートライブラリーの使用がおすすめ。HubSpotテンプレートライブラリーには効果的なEメールが用意されており、短時間で独自のEメールを作成できます。
アプリでもAIアシスタントを使って自動で文面を作成でき送信できるので活用しましょう。
展示会で獲得した名刺をすぐにスキャンしてコンタクトを作成しましょう。コンタクトに「展示会」というカスタムプロパティを追加して、そこに展示会の名称を入力すれば、複数の展示会があっても効率的なリスト管理が可能です。
取り込んだコンタクトには、適切なEメールのテンプレートを作成し、一斉メールでフォローすることで、顧客の創出につながります。
本記事では、HubSpotの名刺スキャン機能について紹介しました。
この機能を利用することで、短時間で簡単に顧客の情報を管理でき、見込み顧客に効果的なアプローチが可能になります。名刺をたくさん獲得しているけれど管理ができなくて悩んでいる方は無料のHubSpotの名刺スキャン機能をぜひ活用してみてくださいね。
なお、株式会社ハレフルではHubSpotの導入・運用支援を行っております。「大量の名刺を活用して営業やマーケティング戦略に活用したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」という場合には、お問い合わせからご連絡ください。