HubSpotとSalesforceは、それぞれが強力なCRMツールとして知られています。HubSpotのマーケティングオートメーション機能と、Salesforceの顧客管理機能を連携させることで、リードの獲得からフォロー、コンバージョンまでのプロセスをスムーズに管理できます。本記事では、HubSpotとSalesforceを連携させることで実現できる機能やメリット、そして効果的に運用するための設定方法や注意点について詳しく解説していきます。
この記事の概要
・HubSpotはSalesforceと連携することができる。
・HubSpotとSalesforceの連携でマーケティングと営業がスムーズに連携できる
・HubSpotとSalesforceの連携ができるエディションは限定されている
・HubSpotとSalesforceの用語の違いに注意する
・HubSpotとSalesforceの連携の設定方法について解説
・HubSpotとSalesforceの連携のおすすめの方法について解説
SalesforceとHubSpotは、どちらも企業の効率的な営業活動やマーケティングをサポートするクラウドベースの顧客関係管理(CRM)ソフトウェアです。それぞれ違う会社が提供しているサービスですが、連携することができます。
HubSpotとSalesforceの連携でできること
SalesforceとHubSpotを連携することで、次のようなことが可能です。
HubSpotで収集された詳しいリードの情報を数クリックでSalesforceに同期させることで、HubSpotのマーケティングデータを活用しながら、一人一人に寄り添った営業活動に取り組むことができ、エンゲージメントとロイヤルティーの向上につなげられます。
HubSpot とSalesforce のデータベースが双方向で同期されるため、どちらか一方がデータの変更をすると、もう一方に自動的に反映され、最新の情報をマーケティングチームと営業チームで共有できます。レコードの同期をカスタマイズすれば、Eメールの開封、フォームの送信、ウェブサイトアクティビティーなどのデータも共有され、営業チームはアプローチするべき顧客の優先度の判断をしやすくなります。
Salesforce上のデータを利用することで、マーケティングと営業のデータが一元管理され、両チームがシームレスに協力できるようになります。Salesforceに保存されているデータを活用して、営業チームに代わり、データを分類したり、Eメールをパーソナライズして送信したりすることも可能です。成約した取引のデータは自動でSalesforceからHubSpotに送信され、どのキャンペーンが効果的だったのかを分析するのに役立ちます。
HubSpotとSalesforceは技術的な知識がなくても、数分で簡単に連携できます。ただし、連携には特定のエディションと権限の条件を満たしている必要があります。
連携に必要なエディションと権限は、以下の通りです。
HubSpot
<必要な権限>
Account Access権限が必要です。
Salesforce
<必要な権限>
・APIアクセスが可能なSalesforce Edition、あるいはSalesforce Professional
・Salesforceシステム管理者、あるいはHubSpot連携権限セットが割り当てられている
・以下のユーザープロファイル管理権限が付与されている
HubSpotとSalesforceを連携するうえで、注意したいのが重複レコードの管理です。具体的には、HubSpotとSalesforceで、同じ顧客やリードの情報が複数のレコードとして、重複が発生することがあるのです。データの一貫性と正確性を保つために、重複を排除する必要があります。
HubSpotとSalesforceには、それぞれ重複レコードを自動で検知する機能が搭載されています。たとえば、HubSpotでは、同じEメールアドレスとドメイン名を使用している企業の重複レコードを自動的に削除してくれます。
重複については定期的に確認して明らかな重複は削除したり、その他、複数のレコードを1つのレコードにマージしたりして解消しましょう。重複が起こらないように、データ入力時のルールを設定することも大切です。
HubSpotとSalesforceを連携する手順について解説します。
①HubSpotアプリマーケットプレイスからSalesforceを追加
HubSpotのダッシュボード上部のナビゲーションバーから「マーケットプレイス」アイコン(家)をクリックし、「アプリマーケットプレイス」を選択、Salesforceをクリックします。右上の「アプリをインストール」をクリックし、表示される手順に従って進めていきます。「Salesforceにログイン」をクリックし、ポップアップウィンドウでSalesforceの認証情報を入力してログインすると、HubSpotにSalesforceアプリがインストールされます。
②SalesforceにHubSpotをインストール
次に、SalesforceにHubSpotをインストールします。[Salesforceパッケージのインストールを開始]をクリックすると、Salesforceのページにリダイレクトされます。「Install for All Users(すべてのユーザーのインストール)」を選択して「インストール」をクリックし、あとは手順にしたがってインストールを完了します。HubSpotの接続ウィザードに戻り、「次へ」をクリックします。
③HubSpotプロパティーとSalesforceフィールドのマッピング
「推奨されるセットアップ」か「詳細セットアップ」を選択し、全コンタクト、あるいは特定リストのみの同期を決め、 全コンタクト、あるいは特定リストのみの同期を決めます。全コンタクトを選択して、 HubSpotのコンタクトをSalesforceにすべて同期してしまうと、Salesforceの料金があがってしまうことがあるので注意してください。
HubSpotとSalesforceの連携ができると、コンタクト・会社・取引についてのHubSpotプロパティーとSalesforceフィールドの同期が設定できます。
マッピングしたいオブジェクト(コンタクト・会社・取引き)のタブをクリックし、ダイアログボックスで、ドロップダウンメニューから、マッピングしたいHubSpotプロパティーとSalesforceフィールドを選択して同期します。
なお、HubSpotとSalesforceとでは異なる用語があります。たとえば、HubSpotの「コンタクト」「会社」「取引き」は、Salesforceでは、「リード・取引責任者」「取引先」「商談」になります。
マッピングするときは、互換性のあるプロパティーとフィールドのマップを選択するように注意しましょう。フィールドタイプが一致していないとエラーが表示されます。
④同期ルールの設定
次にどのように同期したいか、同期ルールを設定します。「空白でない限りSalesforceを優先」「常にSalesforceを使用」「双方向」「同期しない」のオプションがあるので、自社の方針に合わせて選択します。
最後に、HubSpotとSalesforce連携のおすすめの利用方法について紹介します。
SalesforceとHubSpotを連携することで、双方の強みを最大限に活かすことが可能になります。Salesforceは、顧客データの管理のほか、営業活動や顧客とのやり取りの追跡や顧客データ分析のレポート作成など、柔軟なレコード操作に優れています。一方、HubSpotはリード育成やメールマーケティング、ソーシャルメディアの運用、マーケティングの自動化など、さまざまなマーケティングアクションを効率的に実行できるツールです。
HubSpotで集めたリード情報をSalesforceにスムーズに引き継ぐことで、営業とマーケティングにシナジー効果が生まれ、一貫した顧客対応が可能になります。
HubSpotとSalesforceの連携は強力な組み合わせですが、できるだけ効果的に運用するためにはしっかりとした運用設計が必要です。
まず、「効率的にリード管理をしたい」「マーケティングチームと営業チームの連携を強化したい」など、何のために連携したいのか目的を明確にしましょう。適切に同期できるように、適切なフィールドマッピングや重複レコードを管理し、データの一貫性を保つことが重要です。一度連携したらそのままではなく、定期的に改善していく最適な運用になるように努めることが大切です。
HubSpotとSalesforceの連携について解説しました。HubSpotとSalesforceを連携することで、双方の強みを最大限に活かし、マーケティングと営業のシステムがよりスムーズになり、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。連携は簡単にできますが、同期ルールの設定やフィールドタイプの一致など、注意する点があります。わからないことは、HubSpotとSalesforceの導入支援を行っている代理店に相談するのがおすすめです。
なお、株式会社ハレフルではHubSpotやSalesforceの導入・運用支援を行っております。「自社にあったCRMの選定から相談したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」という場合には、お問い合わせからご連絡ください。