・Engagement Studioを使った自動フォローメール
・Engagement Studioの制御などで難しい例
・気を付けるポイントについて
前回の記事の続きのようなトピックでPardotのEngagement Studioを使ったフォロープログラムの作成についてのエントリになります。
~引き続き、この記事はこういう方向け~
SalesforceのPardotのユーザであり、企業のマーケティング担当者、Web担当者向け。Engagement Studioについては活用したいけどイマイチわかんないんだよね、くらいのレベル感の方向けの情報となります。
PardotのEngagement Studioはセグメンテーションリストに入った時点でプロスペクトに対してシナリオを起動していくプログラムになりますので、プロスペクトごとに異なる固有の日付項目に対する制御や「プロスペクトのカスタム項目の日付(のx日前or x日後)まで待機」といったアクションを指定することは意外と難しかったりします。
具体的には次のようなシナリオです。
「(顧客ごとに異なる)ライセンスの更新期限の1ヶ月前に更新案内のメールを送る」
「常時開催のカウンセリング予約に申し込んだ2日前にフォローアップのメールを送る」
「誕生日の1週間前にクーポンを送る」
普通によくあるパターンですが、こちらのシナリオについてはEngagement Studioではなく、Pardotで実現するための手段として「オートメーションルール」を使う事が一般的です。
ただし、オートメーションルールは「配信時間のコントロールができない」というデメリットがあり、上記のようなシナリオを設定すると「日付が変わった0時00分」にPardotからプロスペクトに対してメールが配信される、というような形になってしまい、実現したい要件を十分に満たせないケースがあります。
これを時間を決めて(もしくは営業時間内に)配信をするために、Engagement Studioを使って何とかできないか、というのが今回の記事の趣旨となります。
通常、こういった話はSalesforce(Sales Cloud)をよく活用されている方であれば「ワークフローとタイムトリガを使えば一発じゃん」ってなる話なのですが、今回はこれをEngagement Studioを頑張って使う事で解消してみたいと思います。
前回の記事と比較がしやすいので、
「常時開催のカウンセリング予約に申し込んだ2日前にフォローアップのメールを送る」
のパターンで考えてみたいと思います。Webから申し込みをする際にユーザが日付を選択するようなフォームを用意して、その申込者のメールアドレスに対してメールを送信するオペレーションを自動化するケースを考えてみます。
Engagement Studioの作成の前に準備するものは「ダイナミックリストのセグメンテーションリスト」「メールテンプレート」だけです。
前回だとフォームを通過したプロスペクトは完了アクションを使ってリストのメンバーになるように設定しましたが、今回はそれは行いません。
代わりにフォームに表示された「カウンセリング希望日」を使って、これを条件にしたダイナミックリストを作成します。ダイナミックリストを作成し、「セミナー参加日」を起点に
(セミナー開催日程の2日前に自動送信する場合)
「次の日付以上後」「2」
「次の日付以内後」「2」をAnd条件に指定します。
※プロスペクトのカウンセリング希望日が「2020年5月21日」の場合「5月19日」になった段階で
ダイナミックリストのメンバーになります。
次にこのダイナミックリストのメンバーになったことを起点にメールが配信されるようにEngagement Studioを作成し、リストに入った時点で次のアイコンで即時にメールが送信されるように設定すればフォローメールを自動で送信されます。
気を付けるポイントとしては以下になります。
「ダイナミックリストはプレビューとテストデータできちんと確認する」
日本語が直感的でなく、かつ画面も不親切なので、本当にちゃんと期待通り動くのかかなり不安になると思います。テストデータを用意してプロスペクトの日付データを変更していきながらダイナミックリストのプレビューを繰り返して、期待通りにダイナミックリストが抽出できているか確認しながら作成されることをお勧めします。
「土日でメール配信スキップされないようにする」
日付によっては2日前が平日の事もあれば土日の事もありますので、Engagement Studioを設定する際に土日の配信はスキップ、とならないように設定を行っておきましょう。
「配信時間を固定したい場合は時間の範囲を狭める」
「営業時間内に配信」の機能は初期表示が「10時から16時」になっていますがこれは時間帯を狭く(最短6時間)したり開始時間をずらすことで配信時間をある程度コントロールすることもできます。
コロナ禍によりリモートワークが中心となったこともあり、メールマーケティングをメインで行うマーケターからは「ビジネスユーザのメール開封のピークタイムが朝ではなく昼頃に移った」という話を耳にした事もありますので、是非いろいろと検証してみて最も開封率の高い日付、時間を検証してみてください。